播種作業では、毎回10数名の人員を配置して人海戦術で作業を行っている。人力での土寄せの工程が省略されたことにより、10a当たり約20~30分の作業短縮となり、なおかつ作業を行う上での身体的負担も解消され、効率良く業務を遂行できるようになった。さらに、人力での土寄せと比較して覆土厚が一定となり、発芽の斉一性が保たれる効果がある。 1畦75cm幅用の覆土板を3連にすることで、3畦を一度に作業することができた。これにより今までの人力による3畦の覆土と1回の鎮圧が同時にできるようになった。播種床表面の土が乾いていれば、鎮圧ローラーに土がこびりつくことはないが、土が乾いていない場合は、ローラーに土がこびりつきやすく、鎮圧とは反対に表面の土をはく離させてしまう。しかし、スクレーパーの作用によって、湿り気味の土壌条件でも正常な覆土鎮圧作業ができるようになった。
(この創意工夫で、平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の創意工夫功労者賞を受賞しました。)
写真1 トウモロコシ育種圃場
写真2 播種作業
育種圃場は選抜で多数の系統を扱うので手作業で播種します。
品種が異なるため機械播種作業が困難で、手作業になります。
写真3 従来の土寄せ作業
写真4 鎮圧作業
これまでは、播種後に足で土を寄せ(覆土)、鎮圧していました。
写真5 3連の覆土器と鎮圧ローラー
写真6 覆土器のアップ
一度に3列ずつ覆土と鎮圧を同時に行うことが可能です。
写真7 考案した覆土鎮圧器
写真8 覆土鎮圧器による作業
覆土と鎮圧が同時に行え、作業時間などを省くことができました。
さらに覆土が均一になり、出芽揃いも良くなりました。