九州沖縄農業研究センター

創意工夫者表彰

中耕培土作業用蔓巻込み防止アタッチメントの考案

考案者: 業務第3科 畠中 幸一、三池 徳近

サツマイモの育種研究圃場では無マルチ栽培が供試面積の九割を占めているため、中耕培土作業は必須な作業である。そこで、サツマイモの中耕培土作業において、トラクタに装着した培土機への蔓の巻き込みを防止し、蔓をかき分けながら効率的に中耕培土作業ができるよう、棒鋼と鉄パイプを柵状に組み合わせた分草機構を考案した。
本機を装着すると蔓がスムーズにかき分けられ、高精度な中耕培土作業が可能となり、従来培土作業に伴って切断された蔓の他区への混入や株の引き抜きなどの問題点が解消できた。

作業は梅雨時期にかかるため、天候の良い限られた期間に速やかに行う必要がある。従来は培土作業の準備作業として人力による蔓のかき分け作業を行っていたが、多労のうえ人員の確保が難しかった。しかし、本機の導入により延べ50人の人員は不要になり、1日あたりの作業可能面積は従来の30aから1.5倍以上の50aに拡大できた。

本機の導入によって、1.作業精度が向上し、2.作業能率が高まったことで適期作業が可能となり、3.人力作業が削減できた。以上のように、本機はサツマイモ育種研究進展のうえで貢献している。

写真1 苗の定植作業(5月初旬)
写真1 苗の定植作業(5月初旬)

写真2 中耕培土作業(6月下旬)
写真2 中耕培土作業(6月下旬)

写真3 考案した中耕培土機(全体図)
写真3 考案した中耕培土機(全体図)

図1 考案した中耕培土機(分草器)の配置図
図1 考案した中耕培土機(分草器)の配置図

写真4 前輪の分草状況
写真4 前輪の分草状況

写真5 後輪の分草状況
写真5 後輪の分草状況