従来、交配採種業務は様々な書面作成や接木数の算出は全て手動で行われ、多くの労力や時間を費やしていた。そこで、サツマイモ交配採種事業における様々な書面作成や入力作業を大幅に省力化し、不和合性検定時の手書き作業や核となる交配作業をエクセルを用いた処理によって高効率化した新サツマイモ交配採種プログラムを考案した。 本プログラムによって最小限の入力だけでラベル用データ約5,000枚分や各種野帳約150枚分の作成を自動化し、延べ4,000本に及ぶ接木数の自動算出が図られ大幅な省力化となった。
特に、不和合性検定においては手書き作業を自動化した。また、エクセル化により各研究チームへ電送できるため事前の検討や結果の確認が容易になり、双方向の信頼度が向上し試験研究の進展に寄与した。核である交配作業においても、従来見た目で判断していた開花数予測も数値で把握できるようになり、状況に応じた的確な人的対応が可能となり、作業時間のロスが解消され大幅な効率化が図られた。
以上、本プログラムによって、1.作業者の負担軽減、2.熟練作業のマニュアル化、3.作業の質の向上と年間250時間以上の作業時間の削減が達成できた。
写真1 サツマイモの交配作業
図1 考案したサツマイモ交配採種プログラム
図2 サツマイモの不和合成検定をメール電送