サツマイモ交配採種では、年間4千鉢にのぼるプラスチック鉢を使用し、それを洗浄する必要があります。そこで、食器洗浄機を先例としたスプリンクラー式でスライドして連続的に水洗浄できる機器を考案しました。
サツマイモの交配採種業務では、台木用アサガオの育成、サツマイモの接ぎ木、交配、採種作業にプラスチック鉢を使用しており、その数は年間4千鉢にのぼります。1回で約500鉢の鉢整理を行いますので、年間10回程の鉢洗浄作業を行います。使用済みの鉢を一個ずつ洗浄しますが、作業姿勢や労力面から大きな負担になっていました。 洗浄機の主要部は、家庭用スプリンクラーを使用した洗浄装置で、ストッパーで鉢を固定して1鉢を確実に洗浄し、終わり次第次の鉢をずらして流れ作業ができます。無駄な水を減らすため鉢の形状に合わせて洗浄に必要な部分だけに水が当たります。上部のカバーは、水の飛散防止のほか、カバー内で食器洗浄機のように水の反転があるため鉢底の洗浄も可能です。
電気や機械的動力もいらず、水道の圧力だけで洗浄するので音も静かです。この洗浄機1台当たりの洗浄時間は2人組で1時間に250鉢、1回の処理量500鉢では2時間で終了できました。時間労力が半分になり、作業者の労働強度が大幅に軽減されるとともに、軽減された労力は交配作業等に充当することができました。
写真1 多数の鉢を使う交配温室
写真2 交配で使用後の鉢
サツマイモの交配では1年間に約4千個のプラスチック鉢を使います。
使用後は、次の交配に使用するため洗浄して保管します。
写真3 手洗いによる鉢の洗浄
写真4 考案した鉢洗浄機の本体
これまでは、1鉢ずつの手洗いで大変でしたので、鉢洗浄機を考案しました。
写真5 本体にかぶせるカバー
写真6 考案した鉢洗浄機での作業
しっかりと鉢を洗浄できるようにいくつか工夫をしています。
たとえば、カバーをつけて鉢底も洗浄できるようにしています。
写真7 考案した鉢洗浄機の概念図