サトウキビのような長大作物を対象とした重量測定作業について、危険要因の排除や作業強度の軽減をはかるため、秤量台の秤量板部分に改良を加え、安全で効率的な測定作業を実現しました。
収穫時のサトウキビの地上部は草丈4~5mにも達し、しかも茎が湾曲しているため、収穫調査に際して行う地上部全重の測定を極めて困難なものにしています。葉先が地面に触れて重量に誤差を生じることを防ぐため、高さ2m程度に設置した秤量台にサンプルを載せる必要がありますが、20kg以上のサンプルを高く持ち上げる作業は作業強度が大きく、また、搭載時に踏み台を用いるために転落事故が起こる危険性もはらんでいました。これは、サトウキビだけでなく、ソルガムやトウモロコシなど長大作物全般に共通する技術的問題でした。この問題を解決するために、秤量台の秤量板部分に、変形物を受け止めることの出来る大きな長形のサンプル板を固定する改良を加え(図1)、安全で効率的な測定作業を実現できる秤量台を考案しました。改良した秤量台により、測定時にサトウキビを高所まで持ち上げる必要がなくなりました。作業強度の軽減だけでなく、踏み台を使用しない安全な作業環境を実現でき、しかも、作業時間は従来の3分の2程度まで縮減されました。なお、改良した秤量台はコンパクトに折りたためて持ち運べ、秤量に使用しないときは作業台としても利用できます。
図1 変形物を秤量しやすくするための秤量台の改良
写真1 長大で湾曲したサトウキビ
写真2 これまでの秤量台での測定
葉先が地面にふれないようにして測定する必要があり、重量物
をコンテナの上まで持ち上げて測定することは大変な作業です。
コンテナの崩れ落ちや踏みはずしなどの危険性もあります。
写真3 改良した秤量台での測定
写真4 改良型測定台
その他、折りたためてコンパクトになり、留め具も内部に収納できます。
また、使用しないときは作業台としても利用できるといった利点もあります。