畜産研究部門

高度飼養技術研究領域

畜産農家の労働時間は、年間2000時間以上と試算されています。家畜を扱う仕事は、飼料給与や繁殖管理、糞尿処理等の作業に多くの時間を必要とすることから、慢性的な労働力不足となっているのが実情です。また、畜産業に由来する温室効果ガス(GHG)の排出も世界的に大きな問題となっています。
高度飼養技術研究領域では、これらの課題を解決するため、搾乳ロボット等からのデータ収集・活用技術を開発し、畜産施設のデジタルモデルを構築します。また、堆肥化における省エネルギー技術、浄化処理における窒素除去性能技術を組み合わせ、硝酸性窒素濃度の低減とGHG排出量の削減を目指します(スマート畜産施設グループ)。さらに、総労働力時間の20-30%を占める繁殖管理を含む飼養管理の省力化を図るため、画像等センシングデータや繁殖性評価指標を活用した省力的繁殖管理技術の開発に取り組みます(繁殖システムグループ)。
これらの技術を統合して、飼養管理から排せつ物処理までを一貫して管理可能なスマート畜舎システムを構築することにより、データ駆動型スマート畜舎を利用した生産力強化を実現します。

現在開発中の日本型搾乳システム

領域長

田中 章浩(たなか あきひろ)

所属研究グループ