東北農業研究センター

お米のよくある質問集

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品種改良で一番むずかしいのは何ですか?

交配してできたたくさんの兄弟の種の中から、目標にかなったものを選抜するのがむずかしいといえます。というのは、何年も選抜をくり返していって最後にのこったイネが最初に考えていた目標どおりのものではない場合もあるからです。

私たちは、毎年、50種類くらいの交配をして、5万~8万のイネを育てています。そこから、目標にかなったと思われる1,000~2,000のイネを選抜します。これらの1,000~2,000のイネの種を次の年に育てて、そこからさらに、目標にかなったと思われるものを100くらい選抜します。そして、次の年に100くらいの中から10くらいを選抜し、これをくり返していきます。

最後に残ったものに開発番号をつけて(東北農業センターでは「奥羽(おうう)○○号」)、いろいろな地域で育てて調査をおこなったり、おいしさやたくさんとれるかどうかのほか、病気に強いか、寒さに強いかなども調べます。そして、それが今までの品種よりも良いということがみとめられれば、品種になるわけです。

毎年これだけたくさんのイネを育てていても、品種になるのは何年かに1品種程度ですし、交配してから品種としてみとめられるまでには10年近くかかります。

品種を作るには、これだけ手間と時間がかかるのですが、新しい品種ができて農家の人たちやお米を食べる皆さんたちから喜ばれると、私たちもうれしくなって今までのつかれもなくなってしまいます。