東北農業研究センター

うね立て同時部分施用技術

概要

うね立て同時部分施用法は、大規模な土地を使って生産が行われているキャベツ・ハクサイなど葉菜類の栽培において、科学肥料や化学合成農薬の使用量を大幅に削減でき、生産コストを低減するとともに、これらの資材による環境負荷を低減できる施用方法である。

本技術は交付金プロジェクト研究「消費者に信頼される生産体制を支える精密畑作農業技術の開発」で開発し、「東北農業産地振興技術・短期プロジェクト(1.5年プロジェクト)」として東北農政局・東北農業研究センター・岩手県・農業機械メーカーがプロジェクトチームを構成し、実証試験を実施した。

慣行施用法

肥料・農薬等の施用資材は圃場全面に混和されており、うね壁の肥料は雨で流れたり、うね間の肥料は草にとられたり、すべて使われなかったりで、無駄となり、年々蓄積されたり、圃場外に流出するなど、環境に負荷をかけている。

慣行施用法の説明図

うね内部分施用法

施用資材を作付け作物にとって効果がある範囲にのみ施用し、無駄なところへ施用しないと施用量が減らせ、環境負荷も低減できる。

うね内部分施用法の説明図うね内部分施用法の説明写真

肥料や農薬は肥料・農薬ホッパーから繰り出され、耕うん軸に取り付けた1組の円盤の間に施用され、円盤間に設置した耕うん爪で土と攪拌されたあと、成形板でうね立て・成形されます。

これによって、うねの上部中央の移植位置の近辺に肥料や農薬を土と混合施用することができます。うね幅は55~60cmに、うね高さは15~25cmに対応可能です。また、肥料・農薬混合域の幅は円盤間の距離により15~25cmに設定できます。