平成23年度海外評価者による研究レビュー報告

1.はじめに

農研機構は、第3期中期目標期間(平成23~27年度)において国際的に高い水準で評価を実施するために、国際比較が可能な研究分野、国際的な評価が必要な研究分野あるいは国際的な要望が高い研究分野を選定し、海外の評価者を数名委嘱し、研究レビューを実施することとしました。

研究レビューの様子平成23年度は、評価対象として大課題「家畜重要疾病、人畜共通感染症等の防除のための技術の開発」(略称:家畜疾病防除)を選定し、平成23年11月15日に研究レビューを開催しました。本レビューでは、動物衛生研究所の実施している大課題における研究成果や研究方向に関する評価を実施し、3名の著名な海外の研究者から数多くの有益な評価と貴重なご意見を頂きました。

2.開催日時

平成23年11月15日(火曜日) 10時00分~17時00分

3.開催場所

(独)農研機構 動物衛生研究所

4.海外評価者

  • Dr. David E. Swayne
    米国農務省サウスイースト家禽研究所 所長、兼:国際獣疫事務局委員
  • Dr. David R. Smith
    米国ネブラスカ大学リンカーン校教授、兼:全米獣医協会・食品安全諮問委員会委員(前:議長)
  • Dr. Dirk Pfeiffer
    英国王立獣医大学・臨床獣医学部・疫学公衆衛生学科 学科長

5.評価方法

現在までに得られた研究成果の質的な評価、今後の研究方向の妥当性について、国際的な観点から12の中課題及び大課題全体の評価を実施しました。
評価ランクは、A: 質が非常に高く、修正の必要ない、B: 質が高く、修正箇所はごく一部、C: それなりの質は確保されているが、大幅な修正が必要、D: 質は悪く、計画を再度作成し直す必要有りの4段階に区分し、評価に関するコメントや提案を頂きました。

6.中課題一覧

平成23年度から27年度にかけて実施している本大課題は、12の中課題から構成されています。

  • ウイルス感染症の発症機構の解明と防除技術の確立
  • 細菌・寄生虫感染症成立の分子基盤の解明と診断・防除のための基盤技術の開発
  • 国際重要伝染病の監視技術の高度化と蔓延防止技術の開発・評価
  • インフルエンザの新たな監視・防除技術の開発
  • プリオンの異常化機構の解明とBSE等のプリオン病の清浄化技術の開発
  • 罹病家畜の病態解明と発病監視技術の開発
  • 先端技術を利用した新しい疾病防除技術の確立
  • 飼料等の家畜飼養環境の安全性確保技術の開発
  • 農場の微生物汚染低減を目指した日本型家畜飼養管理システムの開発
  • 家畜重要疾病の疫学解析及び監視技術の高度化等による動物疾病対策の確立
  • 乳房炎等の大規模酪農関連疾病の診断・防除法の開発
  • アルボウイルス感染症等の亜熱帯地域に多発する疾病の防除法の開発

7.評価結果及び回答

3人の評価者による評価結果及び動物衛生研究所の評価結果に対する対応[PDF:135KB]