平成24年度海外評価者による研究レビュー報告

1.はじめに

農研機構は、第3期中期目標期間(平成23~27年度)において国際的に高い水準で評価を実施するために、実施中の24の大課題から国際比較が可能な研究分野、国際的な評価が必要な研究分野あるいは国際的な要望が高い研究分野を選定し、海外の評価者を数名委嘱し、研究レビューを実施している。

平成24年度は、大課題「土地利用型耕種農業を支える先導的品種育成と基盤的技術の開発」(略称:作物開発・利用)を選定し、平成24年8月30日に研究レビューを開催しました。本レビューでは、本大課題における研究成果や研究方向に関する評価を実施し、4名の著名な海外の研究者から数多くの有益な評価と貴重なご意見を頂きました(図1)。また、研究レビューに先だって研究圃場等を視察し、活発な意見交換が行われました(図2)。

2.開催日時

平成24年8月30日(木曜日) 10時00分~16時30分

3.開催場所

農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所

4.海外評価者

  • Dr. Gurdev S. Khush
    カリフォルニア大学非常勤教授(米国)
    (元国際イネ研究所育種部長)
  • Dr. Russell Reinke
    国際イネ研究所韓国事務所長
  • Dr. Larry C. Purcell
    アーカンソー大学教授(米国)
  • Dr. Mark E. Sorrells
    コーネル大学教授(米国)

5.評価方法

現在までに得られた研究成果の質的な評価、今後の研究方向の妥当性について、国際的な観点から7の中課題及び大課題全体の評価を実施しました。
評価ランクは、S:質が非常に高く、修正の必要がない、A:質が高く、修正箇所はごく一部、B:それなりの質は確保されており、修正箇所はごく一部、C:それなりの質は確保されているが、大幅な修正が必要、D:質は悪く、計画を再度作成し直す必要有りの5段階に区分し、評価に関するコメントや提案を頂きました。

6.中課題一覧

平成23年度から27年度にかけて実施している本大課題は、7の中課題から構成されています。

  • 米粉等加工用・業務用水稲品種の育成及び米の未利用成分利用技術の開発
  • 水稲収量・品質の変動要因の生理・遺伝学的解明と安定多収素材の開発
  • 次世代高生産性稲開発のための有用遺伝子導入・発現制御技術の高度化と育種素材の作出
  • 気候区分に対応した用途別高品質・安定多収コムギ品種の育成
  • 需要拡大に向けた用途別高品質・安定多収オオムギ品種の育成
  • 気候区分に対応した安定多収・良品質ダイズ品種の育成と品質制御技術の開発
  • ゲノム情報を活用したムギ・ダイズの重要形質制御機構の解明と育種素材の開発

7.評価結果及び指摘に対する回答

4人の評価者による評価結果及び指摘に対する回答[PDF:288KB]