平成26年度海外評価者による研究レビュー報告

1.はじめに

農研機構は、第3期中期目標期間(平成23~27年度)において国際的に高い水準で評価を実施するために、24の大課題から国際比較が可能な研究分野、国際的な評価が必要な研究分野あるいは国際的な要望が高い研究分野を選定し、海外の評価者を数名委嘱し、研究レビューを実施している。

平成26年度は、大課題「土壌生産力の総合的管理による持続的生産技術の開発」(略称:総合的土壌管理)を選定し、平成26年9月3日に研究レビューを開催した。本レビューでは、本大課題における研究成果や研究方向に関する評価を実施し、3名の著名な海外の研究者から数多くの有益な評価と貴重なご意見をいただいた。また、研究レビューに先だって、農研機構内研究施設及び研究成果を導入している茨城県内の現地農家圃場等を視察し、活発な意見交換が行われた。

研究レビューの様子

2.開催日時

平成26年9月3日(木曜日) 10時00分~16時30分

3.開催場所

農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所

4.海外評価者

  • Dr. Donald Sparks デラウエア大学教授(米国)
  • Dr. Ismail Cakmak サバンジュ大学教授(トルコ)
  • Dr. Roland J. Buresh 国際稲研究所コンソーシアムリーダー(フィリピン)

5.評価方法

現在までに得られた研究成果の質的な評価、今後の研究方向の妥当性について、国際的な観点から大課題全体及び大課題を構成する6つの中課題の評価を実施した。

評価ランクは、S: 質が非常に高く、修正の必要がない、A: 質が高く、修正箇所はごく一部、B: それなりの質は確保されており、修正箇所はごく一部、C: それなりの質は確保されているが、大幅な修正が必要、D: 質は悪く、計画を再度作成し直す必要ありの5段階に区分し、評価に関するコメントや提案をいただいた。

6.中課題一覧

本大課題は、以下の6つの中課題から構成されている。

  • 土壌・資材の評価と肥効改善による効率的養分管理技術の開発
  • 寒地畑輪作における根圏の生物機能を活用したリン酸等養分の有効利用技術の開発
  • 暖地畑における下層土までの肥沃度評価と水・有機性資源活用による土壌管理技術の開発
  • 環境負荷物質の広域動態モデル策定と生産技術の環境負荷評価法の開発
  • 土壌生物機能を核とした土壌生産力評価法の開発
  • メタボローム解析やエンドファイト利用による作物の養分循環機能活用生産技術の開発

7.評価結果及び指摘に対する回答

3人の評価者による評価結果及び指摘に対する回答 [PDF:235KB]