畜産研究分野「日本の畜産における飼料自給率向上に向けた技術開発研究」

1.海外評価者による研究レビュー

農研機構は、第4期中長期目標期間(平成28年度~平成32年度)において、研究開発成果、実施中の研究手法及び今後の研究の方向性について、国際的観点から評価及び助言を得ることにより、研究の質を高めると共に、効率的な研究開発成果の最大化に資するため、海外レビューを実施しています。平成29年度は、病害虫防除、畜産及び生物機能利用の3研究分野を評価対象とし、それぞれ、海外からの評価者を招聘して、研究レビューを実施しました。
畜産研究分野では、日本の畜産において最重要課題である飼料自給率向上のための技術開発に関連する研究課題8題を選定し、3名の著名な海外の研究者により評価を実施しました。

研究レビューの様子

2.開催日時

平成29年9月20日(水曜日) 9時30分~16時30分

3.開催場所

農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

4.評価者

  • Dr. Jong Geun Kim ソウル大助教授(韓国)
  • Mr. Keith Betteridge 元アグリサーチ社(ニュージーランド)
  • Dr. Ron Ronimus アグリサーチ社上級研究員(ニュージーランド)

5.評価方法

第3及び4期中長期目標期間(平成23年度~平成32年度)を対象に、得られた研究成果の質、社会実装の可能性及び今後の研究方向の妥当性について、国際的な観点から評価を実施しました。
評価ランクは、S:質が非常に高く、修正の必要がない、A:質が高く、修正箇所はごく一部、B:一定の質は確保されており、修正箇所はごく一部、C:一定の質は確保されているが、大幅な修正が必要、D:質が悪く、計画を再度作成し直す必要ありの5段階に区分し、構成要素の8つの研究課題について評定とコメントや提案を頂きました。また、テーマ全体についてもコメントと提案を頂きました。

6.課題一覧

本テーマは、以下の8つの研究課題から構成されています。

第1部 国産飼料資源の開発

  • 課題1-1
    高糖分・高消化性稲発酵粗飼料の高品質調製
  • 課題1-2
    飼料用米、子実用トウモロコシ、飼料用大豆の国内生産による輸入穀物給与量の削減
  • 課題1-3
    日本の気候に適した飼料作物の育種

第2部 日本型放牧技術の開発

  • 課題2-1
    肉牛の耕作放棄地放牧技術
  • 課題2-2
    日本の風土に根ざした乳牛放牧技術の開発

第3部 環境に配慮した家畜の精密栄養管理及び排せつ物管理技術の開発

  • 課題3-1
    飼料効率の改善を目指したルーメン発酵制御
  • 課題3-2
    ルーメンにおける飼料タンパク質とエネルギー供給の同調化による窒素利用効率の改善
  • 課題3-3
    家畜排せつ物からの温室効果ガス排出抑制

7.評価結果及び指摘に対する回答

3人の評価者による評価結果及び指摘事項等に対する回答 [PDF:549KB]