九州では、頻発する高温障害や日照不足、湿害、乾燥害などの気象リスクによる作物の減収・品質低下が生じています。また、このような九州の気象条件は、水稲に対するトビイロウンカ等の虫害や麦類赤かび病等の病虫害の発生を助長します。一方、全国的には生産物がコストや品質等の面で必ずしも実需者のニーズに合致しておらず、国内生産物の利用が伸び悩んでいます。そのため、暖地特有の環境条件に適応しつつ、実需ニーズに合致した品種を育成する必要があります。そこで、作物育種グループでは、
- 実需ニーズに合致する暖地に適した良食味・加工用多収水稲品種の育成
- 穂発芽耐性や赤かび病抵抗性を強化した高品質な小麦・大麦品種の育成
- 早播適性に優れ、作期分散を可能し、安定・多収を実現する大豆品種の育成
- 台風や湿害等の気象リスクに対応した安定・多収ソバ品種の育成と評価
等に取り組みます。 これらの技術開発により、暖地水田輪作の生産性向上に貢献します。