九州沖縄農業研究センター

農研機構(NARO)植物工場 九州実証拠点

現在の取り組みの紹介

【太陽光利用型】イチゴ

生産性向上のための生理反応(光合成・転流)の解明

イチゴの生理反応に基づく効率的な環境調節技術の開発を目指して、新たな計測手法の活用による「光合成や転流の環境応答の解明」に取り組んでいます。

持続的なイチゴ生産を目指した精密環境調節技術の開発

イチゴの生産性向上だけでなく、CO2排出抑制(省エネ、燃油削減)も意識したイチゴの持続的生産に貢献する「精密環境調節技術(局所CO2施用技術等)の開発」に取り組んでいます。

生理障害の対策技術の開発

収穫したイチゴ果実の外観品質を低下させる「がく枯れ」などの障害果の発生要因の解明と防止技術の開発に取り組んでいます。

輸送適性を向上させる栽培技術の開発

近年、イチゴの輸出量は増加していますが、果実の損傷等による品質劣化の問題も生じています。そのため、高品質で輸送適性に優れたイチゴ果実を安定的に生産できるようにするための栽培技術の開発に取り組んでいます。

【完全人工型】リーフレタスおよびスプラウト類

高機能性幼葉野菜の創出

機能性成分を含有する九州・沖縄地域の特産野菜を人工光型植物工場で栽培するための技術開発や機能性成分を蓄積するための研究に取り組んでいます。

宇宙・地上で利用可能な生分解性培地の開発

人工光型植物工場における資源循環型農業を実現するため、微生物により分解可能な素材を原料とした栽培用培地の開発に取り組んでいます。本技術は、地上だけではなく、資源が限られた宇宙や月面での作物栽培にも適応できるとが期待できます。

リーフレタス品種育成を加速する超世代短縮技術の開発

波長特性の異なる光源を用いて複数種類のリーフレタス品種を栽培したときの表現型データを収集しています。収集したデータは、人工光型植物工場向けのリーフレタス品種の育種や植物工場での栽培に適したリーフレタス品種の選定に利用されます。

発芽促進技術と環境制御法の開発

高品質なスプラウトの生産技術を開発するため、環境要因と発芽との相関を研究しています。また、付加価値の高いスプラウトの生産技術の開発を目指し、アントシアニンなどの植物由来の有用物質を環境制御によって蓄積させるための研究に取り組んでいます。