<マニュアル等公開資料について>
2018年から2020年まで実施した「食料生産地域再生のための先端技術展開事業-原発事故からの復興のための放射性物質対策に関する実証研究」(略称:先端プロ「営農促進」)では、2011年に東京電力福島第一原子力発電所で発生した原子力事故被災地域への対応として、農地の地力回復と面的把握技術、水稲・大豆・牧草等作物への放射性物質移行低減技術、営農再開のための省力的管理技術の開発を進めてきました。本プロジェクトにおける研究成果をとりまとめたマニュアル、パンフレット等各資料は原発被災地の農業復興
を目的として作成したものではありますが、その他地域においても営農上の参考となる資料がございます。ご活用いただければ幸いです
東北研成果
- 除染後農地における地力回復の手引き
原発事故被災地域では除染作業による地力の低下が懸念されており、対策技術の確立が求められています。本手引きは2018年3月発行の「除染後農地の地力回復マニュアル水稲編」に先端プロ「営農促進」で実施された水田、畑地、保全管理農地の地力回復に関する成果を加えました。
- 除染後水田のヨシ防除対策 (改訂2版)
除染後農地で円滑に耕作を再開するには、除染前に侵入・繁茂してしまった大型の雑草を適切に駆除する必要があります。休耕した水田で最もやっかいな雑草がヨシであり、作付け再開前に防除する必要があります。
- 除染後畑地のスギナ防除対策 (改訂増補版)
除染後農地で円滑に耕作を再開するには、除染前に侵入・繁茂してしまった大型の雑草を適切に駆除する必要があります。休耕した農地で最もやっかいな雑草がスギナであり、作付け再開前に防除する必要があります。
- 稲作におけるカリ施肥の重要性 ー放射性セシウム濃度の基準値超過ゼロを続けるためにー
玄米では2015年以降、放射性セシウムの基準値を超過する玄米が検出されていないことから、放射性セシウム移行抑制対策であるカリ追加施肥中止が進みつつあります。しかし、土壌から玄米への放射性セシウム移行を抑制するために土壌中カリ含量を維持することは必要であり、注意が必要です。
- 通い農業支援システム製作マニュアル
「通い農業支援システム」を導入することで、遠隔地からスマートフォンで農業用ハウスの温度、湿度、土壌水分などを平均値やグラフで確認できます。少ない担い手で大規模化・分散化した農地やハウスを管理するのに役立ちます。
- 放射性セシウム濃度を高めないための大豆栽培の手引き (改訂版)
大豆においても放射性セシウムの移行抑制対策としてカリ施肥は重要です。大豆の放射性セシウム濃度を高めないためには、所定量のカリ施用とともにカリを豊富に含む牛ふん堆肥施用も有効です。
東北研以外
-
水田放牧を活用しようー和牛繁殖雌牛の増頭や農地を有効に利用するためにー 【福島県農業総合センター畜産研究所】
原発事故被災地域では、限られた労働力での省力的な農地管理及び畜産経営が求められています。放射性物質対策を行った水田での肉用繁殖牛の放牧により、除染後水田を有効に活用します。また、放牧を行うことで経営改善と農地活用の拡大が両立できると試算され、増頭・規模拡大の可能性が広がります。
- (改訂版) 草地における放射性物質対策のためのカリ施肥 【農研機構畜産研究部門】
牧草への放射性セシウム移行抑制対策であるカリ施肥に関する概要を紹介します。2019年3月に発行した手引きに、カリ追加施用を実施しても土壌交換性カリ含量が高まらない草地への対処法や傾斜草地更新時の留意点、耕起困難草地での緩効性カリ肥料利用による利用再開試験、除染後新規更新によるカリ追肥量低減化の可能性、セシウム低吸収草種についての紹介を追加しました。