概要
温暖地の排水性が不良な水田では、ダイズの茎疫病の蔓延、ムギ類の湿害等により不耕起栽培が困難な場合があります。とくに暗渠の施工が困難な地域では、額縁明渠だけでは表面排水が不十分となります。また、東海から中国四国地域に分布する赤黄色土は表層にクラストが形成されやすい特徴をもっています。そこで、クラスト形成や排水不良によるダイズの湿害を軽減するため、小明渠作溝による広高畦化と浅耕播種を高速下で精度高く実施できる作業技術を開発します。あわせて浅耕播種機の汎用化を図り、イネ、ムギ、ダイズの播種作業を一台で行う栽培体系を確立します。一方、中山間地域の区画の小さな圃場におけるイネの生産コスト低減を図るため,安価な種子粉衣剤(鉄コーティング)を用いた表面播種による湛水直播栽培技術を確立します。
作物別新技術と期待される効果
主な成果[PDF]
- ロータリに簡単につけられる小明渠浅耕播種機用アタッチメント
- 省力摘心機によるダイズ増収技術
- 新トラップを活用したダイズ吸実性カメムシ類の効率的防除技術
- GIS互換の圃場地図を利用した作業計画・管理支援システム
参画機関
- (独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター
- (独)農研機構 中央農業総合研究センター
- 山口県農林総合技術センター
- 三重県科学技術振興センター
- 愛知県農業総合試験場