作物研究部門

作物見本園

多くの大麦品種で穂が出ました。


この冬は暖かかったため、昨年より10日以上早く、大麦では10品種中7品種で穂が出ました。遠くに見える「農林さくら通り」の桜も、早くも満開になりました(3月28日撮影)。


この記事が掲載される頃には桜は既に散っているので、今年はこの写真で桜をご覧頂けたらと思います。なお、見本園に隣接する「食と農の科学館」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休館中です。


最初に、前回の記事以降の変化をご覧いただきます。3月18日、種播きから139日後の様子です。手前10列が大麦、その奥12列が小麦です。


3月23日、種播きから144日後。各品種の説明看板を立てました。


ここから先はすべて、3月27日、種播きから148日後の写真です。


写真の手前12列の小麦は、穂がまだ出ていません。


こちら側の手前10列の大麦は、過半数の品種で穂が出ています。大麦では、穂に実が6列並ぶものを六条、2列並ぶものを二条と区別し、手で揉むと実から皮が簡単にとれるものをはだか麦、とれないものを皮麦と呼びます。


ここからは大麦の各品種の穂をご紹介します。「カシマムギ」。麦茶用として評価の高い六条皮麦です。縞萎縮病に弱く、中折れしやすいのが欠点です。


「カシマゴール」。縞萎縮病に強くて中折れしにくい、多収の麦茶用六条皮麦です。


「キラリモチ」。もち性の二条はだか麦です。食味がよく、炊飯時に褐変しない特徴があります。


「くすもち二条」。もち性の二条皮麦です。九州地域で栽培が増えています。


半月前に穂が見え始めていた「はるか二条」。短桿で極多収の精麦用・焼酎醸造用品種です。


こちらも半月前に穂が見え始めていた「サチホゴールデン」。高品質、多収のビール醸造用大麦です。


「イチバンボシ」。四国地域や九州地域で栽培されている六条はだか麦品種です。主に味噌用として使用されています。以上が3月27日までに穂が出始めた大麦品種のご紹介でした。