6月16日の小麦、全12品種の様子です。昨年10月31日の種まきから7ヶ月半が経ち、すべての品種が成熟しました。今季の麦コーナーの最終回として、小麦品種の穂をご紹介します。順番は、この写真の右端の品種から左に向かって進んで行きます。
最初の品種は農研機構が育成した「ゆめちから」。グルテンの力が強く、ブレンド利用に適したパン用品種です。写真は21cm×14cmで、全品種、同一縮尺です。
「きたほなみ」。農林水産省指定試験事業で北海道立北見農試が育成した高品質な日本めん用品種です。北海道で栽培されている日本一生産量の多い小麦です。
ホクレンが育成した「春よ恋」。北海道で栽培されている、主として春に種を播くパン用品種です。
「農林61号」。昭和19年に育成された日本めん用の品種です。穂発芽や赤かび病に比較的強く、近畿~東海では今でも栽培されています。
「さとのそら」。農林水産省指定試験事業で群馬県が育成した日本めん用品種です。関東や東海地域で農林61号に替わって 栽培が増えています。
農研機構育成の「あやひかり」。関東~東海で栽培されている多収の日本めん用品種です。低アミロースで、うどんの滑らかなモチモチ感が特徴です。
農研機構育成の「ユメシホウ」。関東~東海での栽培に適した早生で多収のパン用品種です。
農研機構育成の「せときらら」。西日本での栽培に適した多収のパン用品種です。
農研機構育成の「ミナミノカオリ」。主に九州で広く栽培されているパン用品種です。
「農林10号」。昭和10年に育成された品種です。肥料を与えても背が低く倒れにくいため、世界的に多収小麦品種の育成に利用されました。
「Chinese Spring」。遺伝研究でよく使われる品種です。この品種を用いて、農研機構が参加した国際研究によって、コムギゲノムの塩基配列の解読が達成されました。
農研機構育成の「セトデュール」。日本初のデュラム小麦の品種で、2018年に品種登録されました。パスタに適しています。デュラム小麦はパンやうどん用小麦と同じコムギ属ですが、別の植物種に分類されます。
以上の紹介順に、上段の左から右、下段の左から右の順に、12品種を並べてみました。マス目は1cm角です。ただし、見本園のある茨城県つくば市が栽培適地ではない品種も含まれているので、必ずしも各品種の代表的な穂の姿ではない場合があることにご留意ください。