作物研究部門

作物見本園

小麦の穂が次々出てきています。

きょう4月20日は二十四節気のひとつ「穀雨」。穀物の実りをもたらす雨を意味します。ただし、きょうはとても良い天気でした。今年一番の暖かさで、つくば市内のアメダス観測地点では最高気温25.0度の夏日になりました。

実り始めた麦を鳥に食われないように、先週、網を張りました。小麦の穂が次々出てきています。次の写真から、穂が出始めた順に小麦品種をご紹介します。

前回4月7日の記事で既に穂が出ていた小麦品種「せときらら」。西日本で栽培するのに適した多収のパン用品種です。

前回穂が出かかっていた「ミナミノカオリ」。主に九州で広く栽培されているパン用品種です。

「あやひかり」。関東~東海で栽培されている多収の日本めん用品種です。うどんの滑らかなモチモチ感が特徴です 。

「ユメシホウ」。関東~東海で栽培するのに適した早生・多収のパン用品種です。

「さとのそら」。関東や東海地域で農林61号に替わって栽培が増えている日本めん用の品種です。

「セトデュール」。日本初のデュラム小麦の品種で、パスタに使われます。デュラム小麦は普通小麦の祖先の植物種です。

「農林61号」。関東~九州で広く栽培されてきた日本めん用の品種です。

穂が出かかっている「ゆめちから」。グルテンの力が強く、ブレンド利用に適したパン用品種です。

穂が見え始めた「農林10号」。昭和10年に育成された品種です。背が低く倒れにくいため、世界的に多収小麦品種の育成に利用されました。

最後に前回までに穂が出ていなかった大麦3品種を穂が出た順にご紹介します。これは「シュンライ」。関東や東北南部で作付けされている六条皮麦で、主に麦飯に使われていますが、一部は麦茶にも使われています。

大麦「ファイバースノウ」。北陸と東北で作付けされている六条皮麦で、主に麦飯用に使われています。

大麦「はねうまもち」。主に北陸で栽培されている六条皮麦で、「ファイバースノウ」のもち性突然変異の品種です。