作物研究部門

作物見本園

成熟した大麦の穂をご紹介します。

種播きから196日が経ちました。左側手前から11列が小麦、右側奥の11列が大麦です。


小麦は品種によっては成熟してきました。


大麦は全11品種が成熟しました。ただし、右端の3品種は、網に入り込んだ鳥に穂をほとんど食われてしまいました。それ以外の8品種の成熟した穂を、右から4列目から左に進む順でご紹介します。

指定試験事業で長野県が育成した大麦「ファイバースノウ」。北陸・東北で作付けされている六条皮麦で、主に麦飯用に使われています。大麦は穂につく実の列の数で二条と六条に、また、殻が実から離れにくい皮麦と離れやすい裸麦に分類されます。

指定試験事業で長野県が育成した「シュンライ」。関東や東北南部で栽培されている六条皮麦です。主に麦飯用に、一部は麦茶用に使われています。なお、穂の写真はすべて、原寸が横14cm縦21cmで同じ縮尺です。

農研機構が育成した「はねうまもち」。北陸地域を中心に栽培されています。「ファイバースノウ」のもち性突然変異の六条皮麦です。

農研機構が育成した「カシマゴール」。縞萎縮病に強くて中折れしにくい、多収の麦茶用六条皮麦です。

農研機構が育成した「ハルヒメボシ」。裸麦の中では精麦用として最も多く栽培されている六条の品種です。主に味噌用に使われています。

農研機構育成の「フクミファイバー」。瀬戸内が主産地のもち性の六条裸麦で、機能性成分β-グルカンを普通の約3倍含み、炊飯時に褐変しにくい長所があります。麦飯や大麦粉に使われています。

農研機構が育成した「キラリモチ」。もち性の二条裸麦です。食味がよく、変色原因物質プロアントシアニジンを含まないため、炊飯時に褐変しにくい長所があります。

農研機構育成の「ビューファイバー」。機能性成分β-グルカンを普通の大麦の3倍近く含み、菓子などの原料に使われている二条裸麦です。

以上の大麦8品種をご紹介順に上段左から右、下段左から右に並べてみました。

残りの大麦3品種については、鳥に食われる前の4月13日の写真でご紹介します。栃木県が育成した「ニューサチホゴールデン」。ビール用の二条皮麦で、脂質酸化酵素リポキシゲナーゼを含まないため、香味が長持ちし、泡もちの良いビールが作れます。

農研機構が育成した「はるか二条」。九州地域で栽培されている、病害に強く、穂発芽しにくい多収の二条皮麦です。精麦用・焼酎醸造用です。

農研機構が育成した「くすもち二条」。国内で最も作付けが多いもち麦です。九州地域で栽培されている、短稈で倒れにくい多収の二条皮麦です。