作物研究部門

作物見本園

これは何の断面でしょう?


暑い日が続いています。農研機構構内で観測している最高気温は、きょうで4日連続して35度以上になりました。青空の下、ニホンハッカ(シソ科)のうす紫色の花が咲き続けています。


前回(8月5日)と同様、ニホンハッカの蜜を吸いにチョウ(ツマグロヒョウモン)が集まっています。きょうはメス(中央下)もいます。翅(はね)に白い模様があるのがメスです。


翅が黒いハチのような虫もニホンハッカに来ていましたが、種類はよくわかりませんでした。


次はホオズキ(ナス科)です。成熟が進んで、写真右側の株のように、すっかり茶色に枯れ上がったものもあります。


同じ株を8月5日に撮影した写真です。右側の株は、この時点からの8日間で、だいだい色がすっかり抜けました。


だいだい色がきれいな、おなじみのホオズキの実です。


ホオズキの袋をはずした中身がこちら。前の写真と同じ縮尺にしてみました。


ホオズキの実の断面です。トマトに少し似ていますが、普通のホオズキには毒性があるので、食べてはいけません(ただし、ホオズキ属の別の植物種の中には、食用のものもあります)。


今回の最後は、サンショウ(ミカン科)の木です。前回はナミアゲハの成虫(いわゆるアゲハチョウ)しか見当たりませんでしたが、きょうは幼虫3匹を見つけました。これは一番小さかった3齢(孵化してから2回脱皮した)くらいの幼虫です。体長は11mmでした。


これは体長18mmの4齢くらいの幼虫です。ずいぶん汚らしい姿ですが、天敵に見つからないよう、鳥のフンに擬態(ぎたい:姿を似せること)していると考えられています。なお、大きさを比べやすいように、前後の写真と縮尺を揃えてあります。


ナミアゲハの5齢(終齢)幼虫がこちら。急に明るい色になりました。体長25mmですが、サナギになる直前には50mm近くにまで育つはずです。葉をたくさん食うので、果樹園の柑橘(かんきつ=ミカン)類にとっては害虫になります。