果樹茶業研究部門

研究成果普及サポーター制度

果樹研究成果普及サポーター通信 第11号(令和6年12月号)

サポーターの皆様

サポーター通信令和6年12月号をお届けいたします。

目次

【新品種のご紹介】

(1) 食味に優れ栽培しやすいコンパクトな樹姿(カラムナー性)のリンゴ新品種「紅つるぎ」を育成
- 栽培の省力化、スマート農機の導入による作業効率化を促進 -

【ホットな話題 ~最新研究成果から~】

(1) ニホングリの栽培化の歴史を遺伝的解析から明らかに
- クリの栽培と選抜は縄文時代以前から始まった -

(2) 積雪地帯におけるブドウ根頭がんしゅ病の発生拡大の原因を解明
- 効果的な防除対策の開発へ -

(3) 温暖化に対応したパインアップル品質予測モデルの開発
- 出荷計画の策定や、新規開園の際に利用できます -

(4) ウメ新品種「和郷」と「麗和」の特性をまとめた標準作業手順書を公開
- 受粉樹が不要で、果実が大きく、ヤニ果の発生が少ない品種の普及拡大を目指して -

(5) みつ入りリンゴをゲノムから読み解く
- 有力な原因遺伝子候補の特定と選抜用DNAマーカーの開発 -

(6) 芽生えの段階でのリンゴ果実特性の予測精度が向上!
-ゲノム情報の統合で過去に取得したデータも利用可能に-

(7) カキのわい性台木に利用できる品種「豊楽台」の 標準作業手順書を公開
- カキをコンパクトに育て、生産性の向上と省力化を可能に -

1. 新品種のご紹介

(1) 食味に優れ栽培しやすいコンパクトな樹姿(カラムナー性)のリンゴ新品種「紅つるぎ」を育成
- 栽培の省力化、スマート農機の導入による作業効率化を促進 -

  • 農研機構は、枝が横に広がらずコンパクトな円筒型の樹姿となるカラムナー性を持ち、糖度が高く既存の主要品種並みに食味が優れる中生のリンゴ新品種「紅(べに)つるぎ」を約30年かけて育成しました。
  • 既存の品種とは異なるコンパクトな樹姿は、リンゴ栽培の省力化や高密植化を容易にするだけでなく、今後開発が進展するスマート農機や自動収穫機への高い適性も期待され、リンゴ栽培の効率化を加速します。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/163351.html
https://www.naro.go.jp/collab/breed/0400/0413/163912.html

◆育成品種一覧はこちらから
https://www.naro.go.jp/laboratory/nifts/kih/files/nifts_hinshu_ichiran.pdf

2. ホットな話題 ~最新研究成果から~

(1) ニホングリの栽培化の歴史を遺伝的解析から明らかに
- クリの栽培と選抜は縄文時代以前から始まった -

  • 農研機構は岡山理科大学と秋田県立大学と共同で、ニホングリが九州、西日本、東北の3地方の野生グリと、栽培グリの4つのグループに遺伝的に分かれることを明らかにしました。
  • 本成果は、ニホングリの栽培化過程の解明に役立つとともに、クリ遺伝資源の有効な保存と多用な遺伝資源を利用したクリの品種育成に貢献することが期待されます。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/161029.html

(2) 積雪地帯におけるブドウ根頭がんしゅ病の発生拡大の原因を解明
- 効果的な防除対策の開発へ -

  • 農研機構は、北海道大学と共同で、積雪地帯におけるブドウ根頭がんしゅ病の発生拡大の原因が高い病原菌密度であることを解明しました。
  • 本成果は、ブドウ根頭がんしゅ病菌の季節変動を正しく理解し、効果的な被害対策を講じるために欠かせない知見となります。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/warc/160448.html

(3) 温暖化に対応したパインアップル品質予測モデルの開発
- 出荷計画の策定や、新規開園の際に利用できます -

  • 農研機構と沖縄県農業研究センターは、パインアップル果実の酸度・糖度や収穫期を気温から精度よく予測するモデルを開発しました。
  • 本成果は各産地において、その年に収穫する果実の品質や収穫期を予測する場合や、新規にパインアップルを導入する地域において、高品質果実を収穫できる期間・品種を推定する場合の予測式として利用できます。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/162672.html

(4) ウメ新品種「和郷」と「麗和」の特性をまとめた標準作業手順書を公開
- 受粉樹が不要で、果実が大きく、ヤニ果の発生が少ない品種の普及拡大を目指して -

  • 「和郷」と「麗和」は受粉樹が不要な自家和合性で、果実が大きく、ヤニ果の発生が少ない品種です。
  • 本手順書では、「和郷」と「麗和」の特性や栽培上の留意点を分かりやすく解説しています。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/165846.html

(5) みつ入りリンゴをゲノムから読み解く
- 有力な原因遺伝子候補の特定と選抜用DNAマーカーの開発 -

  • 大規模な遺伝解析と遺伝子発現解析により、リンゴ果実のみつ入りに関わる有力な原因遺伝子候補を絞り込み、みつの入りやすい個体を予測できるDNAマーカーを開発しました。
  • 本成果は、今後、みつの入りやすい品種やみつの入らない品種を幼苗段階で効率的に選抜するのに役立つとともに、リンゴをはじめとするバラ科果樹の果実にみつが入るメカニズムの解明にもつながることが期待されます。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/165774.html

(6) 芽生えの段階でのリンゴ果実特性の予測精度が向上!
-ゲノム情報の統合で過去に取得したデータも利用可能に-

  • 異なるゲノム解析システムから取得されたゲノム網羅的なDNAの違いのデータを統合する技術を開発しました。
  • 本技術により、過去に取得したデータも活用できるようになり、芽生えの段階におけるリンゴの多くの果実特性の予測精度が向上しました。

▽詳細はこちらから▽
https://www.chiba-u.ac.jp/news/research-collab/post_441.html

(7) カキのわい性台木に利用できる品種「豊楽台」の 標準作業手順書を公開
- カキをコンパクトに育て、生産性の向上と省力化を可能に -

  • 農研機構と島根県はカキのわい性台木品種「豊楽台」の特徴と利用方法をまとめた標準作業手順書を公開しました。
  • 「豊楽台」台木に接ぎ木した「富有」樹は、一般的な台木に接ぎ木した樹と比べて樹高が低く、樹の大きさも半分程度になり、単位容積当たりの収量が向上するため生産性も高まります。

▽詳細はこちらから▽
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/162622.html

◆Fruit & Tea Times

農研機構果樹茶業研究部門では、最新の研究成果を分かりやすく解説する機構全体の活動をわかりやすく紹介する広報誌「Fruit & Tea Times」を、刊行しています。

・バックナンバーはこちらから
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/nifts/fruit_tea_times/index.html

国立研究開発法人
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果樹茶業研究部門

〒305-8605 茨城県つくば市藤本2-1
https://www.naro.go.jp/laboratory/nifts/

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