気候変動対応・生物多様性保全研究
大課題16 気候変動等の環境変動への対応及び生物多様性保全のための研究開発
実施期間
2016年度~2020年度
研究推進責任者
渡邊朋也 (農業環境変動研究センター 所長)
計画の概要
将来の気候変動が農業に与える影響を精度よく予測・評価するため、水稲、麦類、大豆や果樹に対する影響予測モデルを開発し、共通の気候シナリオを用いて国内農業への影響を明らかにします。また、広域影響評価モデルによって世界的な食料生産変動を評価します。
気候変動下でも安定した生産が続けられるよう、麦類・水稲を中心として高温耐性品種の活用や高温による不稔・登熟障害を防ぐ技術を開発します。また、水稲、麦類、大豆や果樹などについて地域性を考慮した栽培管理支援技術、気象情報と連動した早期警戒・栽培管理支援システムを確立します。
温暖化を緩和するため、温室効果ガス排出量をより精密に算定し、温暖化を緩和する技術による排出削減量を明らかにします。また、モンスーンアジア地域での温室効果ガス排出の低減方法を提示します。
農業が生物多様性に及ぼす影響を評価し、生態系サービスの実態を解明・評価するため、農業が受ける生態系サービスを評価する手法を開発します。また、土地利用の変化や外来生物の侵入・導入など環境変化が生物多様性や生態系サービスにどのような影響を与えるかを明らかにする手法を開発します。
環境変動にかかわる情報が幅広く活用されるよう、簡便で持続的な環境モニタリング手法を開発し、得られたデータを利用しやすい情報基盤を構築します。また、情報を解析する手法の高度化、新たな情報発信技術の開発・導入を行います。
開発された技術やシステムの普及を現地実証試験などによって進めます。また、得られた知見は国際的な枠組みを通じて提供し、積極的な国際貢献を図ります。
中課題
この大課題は5つの中課題から構成されています。
- 気候変動影響評価 (気候変動が農業分野に及ぼす影響の高精度予測・評価手法の開発)
- 気候変動適応技術 (気候変動に柔軟に対応した栽培管理支援技術の開発)
- 気候変動緩和技術 (温暖化緩和技術の開発と農業現場におけるその効果の最大化)
- 生物多様性影響評価 (気候変動等の環境変化が農業生態系における生物多様性と生態系サービスに及ぼす影響の評価)
- 農業環境基盤情報 (環境変動モニタリングと環境基盤情報の集積・解析・発信技術の開発)
発表論文等
関係するサイト
- 地球温暖化と農林水産業 (農業環境変動研究センター)
- 農業温暖化ネット (全国農業改良普及支援協会)
- 農研機構 気候変動対応プログラム(2011-2016) (農業環境変動研究センター)