寒冷地向け育成品種6選

製めん適性に優れた中力小麦「ナンブキラリ」 (育成年 : 2018年)
粉の黄色みが強く製めん適性に優れており、「ナンブコムギ」に替わりうる品種として期待されています。「ナンブコムギ」に比べ成熟期はやや遅いですが、多収です。コムギ縞委縮病に強い一方、赤さび病にはやや強いです。栽培適地は寒冷地の平坦地 (目安として根雪期間80日以下の地域) です。岩手県で産地品種銘柄に設定されています。 [トップへ戻る]
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黄色みが強い
製パン適性に優れた強力小麦「夏黄金」 (育成年 : 2016年)
グルテンの質が準強力の「ゆきちから」と超強力「銀河のちから」の中間にあたる強力小麦です。優れた製パン適性を示し、ほとんどの種類のパンを製造できます。
「ゆきちから」と収穫期はほぼ同じで収量も同程度ですが、穂発芽しにくく赤かび病にも強いです。栽培適地は東北・北陸の平坦地(目安として根雪期間100日以内)です。宮城県、福島県、新潟県、石川県で産地品種銘柄に設定されています。 [トップへ戻る]
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グルテンの質が強靭な超強力小麦「銀河のちから」 (育成年 : 2011年)
グルテンの質が強靭な特性をもつため、「ゆきちから」などの準強力の品種とブレンドすることで、製パン適性を高める効果を発揮します。また、中華めん等の原料やそばのつなぎにも適しています。
「ゆきちから」より収穫期はやや遅く収量は同程度です。穂発芽しにくく縞萎縮病にも強いです。栽培適地は東北・北陸の平坦地(目安として根雪期間80日以内)です。岩手県、宮城県、秋田県、鳥取県で産地品種銘柄に設定されています。 [トップへ戻る]
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パンの膨らみが増す
製菓適性に優れる薄力小麦「ゆきはるか」 (育成年 : 2011年)
国内で初めての菓子専用小麦として育成されました。東北地域で菓子原料として使用されているめん用品種「キタカミコムギ」と比べ、「ゆきはるか」のスポンジケーキは比容積が大きく食感がよく仕上がります。
「キタカミコムギ」よりも収穫期は早く多収ですが、耐雪性はやや弱く穂発芽もやや生じやすいです。栽培適地は寒冷地の平坦地(目安として根雪期間80日以内)です。岩手県、新潟県で産地品種銘柄に設定されています。 [トップへ戻る]
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「ゆきはるか」
もち性の小麦「もち姫」 (育成年 : 2006年)
でんぷん中にアミロースを含まない小麦で、加熱によりよく膨張し食品にもちもち感やしっとり感を与えます。温度が下がっても硬くなりにくい特性があります。
「もち姫」は、寒冷地向けめん用小麦品種の「ネバリゴシ」に比べ、穂発芽がやや発生しやすいですが収量は同程度です。栽培適地は寒冷地の平坦地(目安として根雪期間80~90日以内)です。青森県、岩手県で産地品種指定銘柄に設定されています。 [トップへ戻る]
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地ビール醸造用二条大麦「小春二条」 (育成年 : 2008年)
二条大麦としては耐雪性が高く、麦芽エキスやジアスターゼ力などのビール醸造に関する適性をもつ品種です。
「小春二条」の耐雪性は、「ミノリムギ」「ファイバースノウ」等の寒冷地向け六条大麦より劣るものの、関東以西向けに育成されてきた既存の二条大麦に比べると、各段に高いです。栽培適地は寒冷地の平坦地(目安として根雪期間70~80日以内)です。 [トップへ戻る]
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平成16~17年度 育成地ドリル播栽培、分析は栃木県農業試験場栃木分譲に依頼。
谷口ら(2009年)の掲載データをもとに作成。