東北農業研究センター

鳥害の図鑑

カラス類の解説

ハシボソガラス
ハシボソガラスのイラスト

ハシブトガラス
ハシブトガラスのイラスト

日本で普通に見られ農作物に被害を与えるカラスには、ハシボソガラスとハシブトガラスがあります。どちらも全身真っ黒でよく似ていますが、ハシブトガラスの方がやや大きく、くちばしが太いこと、鳴き声の違いなどで区別することができます。

加害の特徴

春には繁殖のためにペアで分散しているものが多いのですが、繁殖を行わないものもあり、これらが数十羽の群れで飛来することがあり、そのような場合、被害が大きくなることがあります。落水ではもちろん数cm程度の湛水でも飛来しますが、被害は日中に限られます。

※盛岡試験地での観察では、湛水の場合カラスは水生動物を食べているようでした。このため、鳥害が発生しており、日中カラスを目撃している場合にも、夜間、カルガモが飛来して加害していないか確認する必要があります。

被害回避のポイント

スズメやハト類と同じように目で種籾を探してついばむので、種籾を土中に埋め込むことが有効だと考えられます。大きな被害を与える群れは、食物を得やすい生ゴミ処理場や畜産施設周辺などに集まっているので、そのような場所に近い田んぼでは直播を行わないことです。また、カラスを呼びやすいゴミは日頃から徹底して処理することが大切です。