東北農業研究センター

鳥害の図鑑

あなたの田んぼでは?

あなたの田んぼでの鳥害回避策が見えてきたでしょうか?

播いた種籾を鳥に食べられないためにこれから

湛水の直播田に飛来するカルガモをどのようにしたら追い払うことができるかということで、いろいろな防鳥装置や忌避剤などを試してみましたが、カルガモの生息数の多い地域でも確実に種籾を守ることのできる方法は田んぼ全体を網で覆ってしまうことくらいしかありませんでした。また、仮に追い払うことに成功した場合でも、追い払われたものがほかの田んぼで被害を与えるようではしかたがありません。

そのため、湛水直播はカルガモの生息数の少ない地域の生息域から離れた田んぼで実施するのが基本で、個別の防鳥対策を実施するよりは、カルガモの生息域に近い場所にカルガモが食物を得ることができる場所を確保するとか、一定量の被害はやむを得ないとして相互扶助的な補償を行うなど、地域全体の問題として考える必要があるのではないでしょうか。

乾田直播だけではなく、湛水直播でも播種後落水管理が行われる場合があり、それによりスズメなどほかの鳥への対策も必要になってきました。落水状態の田んぼで種籾を鳥の害から守るためには、種籾を土中に埋め込んで鳥に見つからないようにするのが有効であり、確実に土で被覆することが重要です。

当然のことながら、鳥害は、加害する鳥がいなければ発生しません。そのため、あなたの田んぼの周辺にどのような鳥が生息していてどのような被害が予想されるかを明らかにしたうえで対策をたてる必要があります。なお、対策をたてるに当たっては、鳥害のみならず土壌条件や栽培管理のことなどを総合的に考え工夫する必要があります。

あなたの田んぼのことを一番よく知っているのはあなたなのですから。