品種改良された有色米は、「紫黒米うるち」、「紫黒米もち」、「赤米うるち」と「赤米もち」の4種類に分けることができます。
紫黒米ウルチ品種
むらさきの舞
兵庫県中央農業技術センター育成(1999)交配組合せ:Pup-a,b/イシカリインドネシアバリ島在来の紫黒米に由来する品種です。丈は長めで、粒は長いです。
おくのむらさき
東北農業研究センター育成(2000)
交配組合せ:東北糯149号/奥羽331号
インドネシアバリ島在来の紫黒米に由来する、東北向けの品種です。丈が短く倒れにくいため、栽培しやすいです。紫黒米の品種としては多収です。
紫黒米モチ品種
朝紫(あさむらさき)
インドネシアバリ島在来の紫黒米に由来する、東北向けのモチの紫黒米品種です。収量は一般のモチ品種よりは少ないのですが、紫黒米の品種としては多収です。最近では東北地域に限らず、関東以南でも栽培されています。
東北農業研究センター育成(1996)
交配組合せ:東糯396/奥羽331号
奥羽紫糯389号
東北農業研究センター(育成中)
交配組合せ:関東195号/朝紫
極小粒の紫黒米です。
赤米ウルチ品種
ベニロマン
九州沖縄農業研究センター育成(1996)交配組合せ:南海97号/対馬赤米丈の長い赤米在来種の「対馬赤米」を短く改良した品種です。九州で晩生の熟期で、籾の先の芒(ぼう)が鮮やかな赤褐色になり、観賞用、生花用としても利用できます。
紅更紗(べにさらさ)
新潟県農業総合研究所育成(2001)
交配組合せ:新潟糯31号/篠ノ井//新潟糯31号/東北144号(新潟糯31号/篠ノ井のF1が母、新潟糯31号/東北144号のF1が父)
丈が短く倒れにくい、新潟向けの品種です。
紅衣(べにごろも)(奥羽赤370号)
東北農業研究センター育成(2002)
交配組合せ:奥羽331号/A5(赤室)//奥羽331号(奥羽331号/A5のF1が母、奥羽331号が父)
極早生の赤米在来種の「赤室(あかむろ)」を東北で栽培できるように改良した品種です。丈が短く、一般品種並の収量があって栽培しやすいのが特長です。
紅衣おにぎり
奥羽赤糯388号
紅衣
赤米モチ品種
つくし赤もち
福岡県農業総合試験場育成(1995)
交配組合せ:サイワイモチ/対馬在来
赤米在来種の「対馬在来」よりも丈がやや短く、種子の休眠が浅い九州向けの品種です。穂発芽や脱粒はしにくいです。芒(ぼう)は赤褐色で観賞用にも向いています。
紅香(べにか)
新潟県農業総合研究所育成(2001)
交配組合せ:新潟糯31号/篠ノ井//新潟糯31号/東北144号
新潟向けで、香りを有するモチの赤米品種です。
奥羽赤糯388号
東北農業研究センター(育成中)
交配組合せ:たつこもち/羽系586
下の写真は、それぞれ「おこわ」と「もち」です。
おこわ
赤:奥羽赤糯388号黒:朝紫白:ヒメノモチ
奥羽赤糯388号と朝紫は5分搗精。
もち
左:奥羽赤糯388号右:ヒメノモチ