果樹茶業研究部門

育成品種紹介

かんきつ属(Citrus L.)の品種一覧

品種の名称公表日概要
あすき 2017年11月16日

糖度が極めて高く食味がよい晩生のミカンです。ナイフでカットした場合のドリップが少なく、カットフルーツでの利用にも適します。
璃の香
(りのか)
2014年5月15日

かいよう病に強く、豊産性のレモン品種。従来のレモン品種より果実が大きく酸味がまろやかなうえ、搾汁率が高く果汁製品など幅広い加工用途が期待できます。
みはや 2012年3月16日

11月下旬に成熟期を迎える早生品種で、果皮が赤橙色で外観が美しく、糖度が高くて酸味が少なく、芳香があり、食味が優れています。
あすみ 2012年3月16日 糖度が極めて高く、食味が優れる中生カンキツ品種です。施設栽培に向いています。
オーラスター 2010年9月15日

カラタチ、ハッサクおよび「晩白柚」に由来する品種です。生食には適しませんが、オーラプテンを高含有し、カンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性であり、加工用または育種素材として活用できる可能性があります。
津之望
(つののぞみ)
2010年9月15日

年内に収穫でき、食味の良いカンキツ新品種「津之望(つののぞみ)」を育成しました。隔年結果性が低く、連年安定生産が容易な品種です。
はるひ 2009年12月24日

「日向夏」に似たさわやかな風味のカンキツ新品種「はるひ」を育成しました。「日向夏」より早く収穫でき、糖度も高く、食味に優れた中生品種です。 露地で2月頃に成熟期を迎える中生品種です。果実は150g程度で、果皮は橙黄色で剥きやすいのが特徴です。「日向夏」に似たさっぱりとした透明感のある香りが特徴的で、糖度も高く食味に優れており、今後の普及が期待されます。
津之輝
(つのかがやき)
2007年12月21日

果樹研究所では、無加温・少加温施設栽培に適し、糖度が高く食味良好なみかん新品種「津之輝」を育成しました。本品種は、露地栽培では1月中旬から2月上旬に成熟する中生品種で果実の大きさは平均180gですが、無加温および少加温での施設栽培では12月上中旬に成熟して平均250gの大果となります。果皮は赤みがあり剥皮良好で、じょうのう膜も軟らかく食べやすいうえ、糖度は約13%と高く、減酸は比較的早く食味良好で、β-クリプトキサンチンを高濃度含有します。
西南のひかり
(せいなんのひかり)
2007年12月21日

「(アンコール・興津早生)No.21」に「陽香」を交雑して育成した早生のミカンです。年内に成熟し、剥皮容易でじょうのう膜が薄く、少核性で食べやすいうえ、果肉は柔軟・多汁であり、高糖度で食味が良いのが特徴です。特に機能性成分であるβ-クリプトキサンチンを高濃度含有します。
カンキツ口之津41号 2006年11月17日

茎頂接ぎ木とコルヒチン処理の組み合わせで育成されたヒュウガナツの四倍体です。ヒュウガナツに受粉すると結実率は高く、種子数が著しく減少し、無核果も生産されます。
ミニマートル1号 2006年3月 7日

「クサイライム」に「マートルリーフオレンジ」を交雑して育成したカンキツです。わい性で葉、花、果実が極めて小さい。着花量が多く、果実は2年程度樹に着生し、鉢物あるいは庭木として利用できます。
べにばえ 2006年3月 7日

「(林温州・福原オレンジ)No.9」に「アンコール」を交雑して育成した早生のタンゴールです。外観は赤橙色、果面は平滑で綺麗な品種です。有核であるが糖度が高く、食味良好で、じょうのう膜が薄く食べやすくなっています。
かんきつ中間母本農7号 2005年6月23日

カンキツ属とカラタチ属の属間雑種「H・FD-1」と「晩白柚」との雑種であるブンタンタイプの「かんきつ中間母本農7号」は、カンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性です。単胚性のため交雑実生の獲得が容易で CTV免疫性の新品種育成に有効な中間母本です。
たまみ 2005年6月23日

「清見」に「ウイルキング」を交雑して育成した成熟期が1月中旬頃のミカンです。甘味が強く、オレンジ様の強い香りがあり、食味良好で、有核ですが、剥皮が容易で、じょうのう膜が薄く食べやすい品種です。
かんきつ中間母本農8号 2005年6月23日

「清見」と「H・ FD-1」の雑種であるタンゴールタイプの「かんきつ中間母本農8号」はカンキツトリステザウイルス(CTV)に免疫性があります。単胚性のため交雑実生の獲得が容易で CTV免疫性の新品種育成に有効な中間母本です。
麗紅
(れいこう)
2004年4月 7日

「麗紅」は、「清見・アンコールNo.5」に「マーコット」を交雑して育成した中生のタンゴールです。外観は赤橙色、平滑で美麗、芳香があり、糖度が高く良食味な品種です。
はれひめ 2002年2月13日

「E-647」に「宮川早生」を交雑して育成したミカンです。オレンジ様の風味があり良食味。皮むきがし易く、じょうのう膜が薄く、種子が少なく食べやすい品種です。成熟期が 12 月上旬で早熟性であり、年内販売が可能となっています。
かんきつ中間母本農6号 2002年1月24日

「キングマンダリン」と「無核紀州」の雑種です。果実は風味が良く良食味で、機能性成分に富みます。また、健全花粉を持つが、雌性不稔で無核なので、無核性、良食味性及び機能性成分高含有のカンキツ新品種育成に有効な中間母本です。
ぷちまる 2000年2月22日

1月が成熟期で、果皮の甘味が強く食味良好です。秋から冬にかけて温暖で、果実肥大の良好な暖地での栽培や施設栽培に適します。
ホワイトラブ 1999年4月21日

レモンの細胞質雑種と半数体クレメンチンとの種間細胞融合雑種で、花は白色の四季咲き、3倍体の観賞向きのかんきつです。
せとか 1999年3月18日

育成系統「清見×アンコールNo.2」に「マーコット」を交雑し、育成したタンゴールです。大果で肉質は柔軟・多汁、芳香があり、高糖度で食味良好な少核品種で、2月に成熟する中生のカンキツです。
朱見
(あけみ)
1999年3月12日

「清見」に「セミノール」を交雑して育成したタンゴールです。果皮が赤橙色で、糖度が比較的高く食味良好な少核性の品種です。成熟期は3月で、冬季温暖な地域での栽培に適します。
かんきつ中間母本農4号 「大三島」ネーブルオレンジとユズの間で育成された種間細胞融合雑種で四倍体の品種です。果皮が厚く、柔らかなユズ香の、柔軟多汁な香酸カンキツです。花粉稔性を有するため、育種素材として使用できます。
かんきつ中間母本農3号 「F.N.ワシントン」ネーブルオレンジと「マーコット」タンゴールの間で育成された種間細胞融合雑種で四倍体の品種です。果皮が厚く、弱いオレンジ香の、柔軟多汁で酸味の強いカンキツで、花粉稔性を有するため、育種素材として使用できます。
陽香
(ようこう)
「清見」に「中野3号ポンカン」を交雑して育成したミカン。糖度が比較的高く、ポンカンに似た芳香の強い食味良好な大果・無核品種です。適熟期が1~2月であることから秋冬期が温暖な地域に適します。
オレンジカラタチ中間母本農1号 トロビタオレンジの珠心カルス由来のプロトプラストとカラタチの葉肉プロトプラストを融合し得られた属間体細胞雑種。稔性のある花粉を形成し、種子も形成されるため、中間母本として利用できます。
かんきつ中間母本農2号 「バヒア」ネーブルオレンジと「マーシュ」グレープフルーツの間で育成された種間細胞融合雑種で四倍体の品種です。果皮が厚く、弱いオレンジ香の、「川野なつだいだい」に似た食感の、良食味カンキツです。花粉稔性を有するため、育種素材として使用できます。
かんきつ中間母本農1号 「F.N.ワシントン」ネーブルオレンジと「林ウンシュウ」の間で育成された種間細胞融合雑種で四倍体の品種です。果皮が厚く、強いオレンジ香の、柔軟多汁で酸味の強いカンキツです。花粉稔性を有するため、育種素材として使用できます。
かんきつ中間母本農5号 1999年3月12日

「リー」と「無核紀州」の雑種です。「リー」に似て減酸が早く品質良好で剥皮性も良く、「無核紀州」より大果です。健全花 粉を持ちますが、雌性不稔で無核です。「無核紀州」由来の雌性不稔性は遺伝しますので、無核品種育成の優良中間母本です。
あまか 1999年3月12日

アンコール香とオレンジ香を併せたような香があり,肉質が極めて柔 軟・多汁で、食味良好な豊産性の無核品種です。
はるみ 1999年3月12日

「清見」にポンカン「F-2432」を交雑して育成した品種です。成熟期は1月で、糖度が比較的高く、食味良好です。
西之香
(にしのかおり)
1999年3月18日

「清見」に「トロビタ」オレンジを交雑し、育成したタン ゴールです。肉質が柔軟・多汁でオレンジ香があり、減酸しやすい食味良好な少核品種です。

育成者権満了品種一覧

品種の名称公表日概要
不知火(しらぬひ) この品種は、農林登録、品種登録はされていません。 果実の大きさは230g程度、デコ(カラー)を有する倒卵形のカンキツ品種です。果皮はやや粗いですが、剥皮性は良いです。果肉は橙色で柔軟多汁、じょうのう膜はやや薄く、食べや すいです。熟期は2月中旬から3月上旬です。
ミホコール 1996年8月22日

果実は150~200g程度と温州みかんより大玉で、玉揃いがいいです。果皮は濃橙色で温州みかんより赤味があり、浮皮は発生しません。温州みかんにはない香りが特徴の12月中旬~下旬に成熟するみかんです。
はれやか 1996年8月22日

果実は扁円から扁平形で、210g程度のみかんです。果皮は濃橙色で、剥皮性は良く、ポンカンに似た香りがあります。15個程度の種子がはいります。熟期は2月で、濃厚な食味が特徴です。
ありあけ 1994年3月14日

果実の大きさは170~200g程度、果形は球形でへそは形成しません。果皮は橙色、果肉は濃橙色で柔軟多汁。無核で食味良好です。成熟期は12月中~下旬です。

天草
(あまくさ)

1995年8月17日

果実は扁球形で200g程度。果皮は淡赤橙色で美麗ですが、剥皮性はやや困難で、ナイフでカットしての利用に向いています。果肉は柔軟多汁で風味がいいです。成熟期が12月下旬~1月上旬で豊産性で栽培しやすい品種です。
紅まどか
(べにまどか)
1993年8月3日

果実は700~1000g程度で、熟期は1月中旬から2月の比較的早熟のブンタンです。果肉は黄白ないし黄色で赤味を帯びます。肉質が良く、糖度が高く、食味は良いです。
津之香
(つのかおり)
1991年11月19日

果実は160g程度で、外観のきれいな晩生のみかんです。通常は無核です。成熟期は3月下旬~4月中旬で糖度は13度以上で食味がいいです。
早香
(はやか)
1990年12月5日

果実は扁円形、150g程度。果皮は橙色、薄くて剥皮性が良いみかんです。成熟期は12月上中旬で、甘味を強く感じる食味の良い品種です。
清峰
(せいほう)
1989年9月19日

果実は扁球形で200g程度。果皮は濃橙色。果肉が果皮と密着し、柔軟多汁であるため手による剥皮には向きません。肉質が軟らかくオレンジに似た香りがあり、1月中下旬に成熟する食味の良い品種です。
南香
(なんこう)
1989年3月27日

果実は温州みかんより丸みがあり130g程度のみかんです。果皮は濃橙色から淡赤橙色で油胞が目立ちます。果肉は、やや肉質が粗いですが成熟期の12月中下旬には、糖度は13度程度で品質は優れています。通常、種はありません。
はやさき 1988年1月18日

果実は扁球形で、600~1000g程度の、12月下旬から1月に熟するやや早熟のブンタンです。果肉は緑を帯びた黄色で、肉質は柔軟多汁で、糖度も高く食味良好です。
サザンイエロー 1995年8月17日

果実は平均220g程度で、果形は洋梨形です。果皮は黄色で比較的剥きやすいタンゼロ品種です。果皮に特有の芳香があります。成熟期は12月下旬で、肉質は柔軟で、種は無く、さわやかな食味が特徴です。
サザンレッド 1995年8月17日

果実は露地栽培で、平均120g程度で果皮は薄く、果皮色紅橙で外観が美しいのが特徴です。施設栽培で果肉は柔軟多汁で、糖度は高く、食味・風味ともに良く より品種の特性を発揮します。
イエローポメロ 1985年7月18日

果実は500g前後の黄色のブンタンです。果皮は厚く、剥皮はやや困難です。肉質は良く多汁で、風味の良さが特徴です。採収適期は、5月下旬~6月の晩生品種です。
メイポメロ 1985年7月18日

果実は500g~600gの黄色のブンタンです。果皮は厚く、剥皮はやや困難です。じょうのう膜とさじょうの分離が 容易で、さわやかな苦味があり風味が良いのが特徴です。採収適期は4月下旬から6月の晩生品種です。
サマーフレッシュ 1982年10月21日

果実は350~400g。成熟期は6月中旬で、 6~8月に出荷される極晩生品種です。結実性は良く豊産性で、病害虫も少なく栽培は容易な品種です。
スイートスプリング 1982年10月21日

果実は扁球形で250g程度、果皮は黄橙色で果面は粗く、剥皮はやや困難です。成熟期は2月頃で、肉質はやや硬いですが多汁で、酸味は少なく糖度が比較的高いので、食味は非常に良いです。
清見
(きよみ)
「宮川早生」に「トロビタ」オレンジを交配して育成された日本最初のタンゴールです。果実は扁球形で200g内外、果皮は黄橙色で剥皮性は中程度です。果肉は濃橙色で柔らかく多汁で、オレンジ香があり、風味は優良です。成熟期は3月中下旬と晩生品種です。
興春ポンカン
(こうしゅんぽんかん)
1991年11月19日

果実は扁球形で、大きさは130g程度、やや小果のポンカンです。果皮は橙黄色~橙色で、剥皮は容易です。果肉は多汁で、果汁の糖度は13度程度と高く、食味が優れています。含核数は5~15粒で多いです。
瀬戸温州
(せとうんしゅう)
「杉山温州」にトロビタオレンジを交配して得られた珠心胚実生から選抜されました。樹勢が強く、収量も多いです。果実は扁平で大果であり、果面は滑らかで美しい中品種です。平成24年現在での栽培面積は約11haです。
久能温州
(くのううんしゅう)
「長橋温州」に「ジョッパオレンジ」を交配して得られた珠心胚実生から選抜されました。従来の中生品種より樹勢が強く、収量も多いです。果実が扁平で大果の中生温州です。平成24年現在約150haの栽培面積があります。
三保早生
(みほわせ)
「宮川早生」にカラタチを受粉して得られた珠心胚実生から選抜されました。「宮川早生」に比べて樹勢が強く、豊産性です。成熟期は10月下旬で、甘味比が高く食味に優れています。
興津早生
(おきつわせ)
「宮川早生」にカラタチを受粉して得られた珠心胚実生から選抜されました。「宮川早生」に比べて樹勢が強く、結実性は良好で豊産性です。成熟期は10月下旬~11月上旬で食味に優れています。平成24年現在、栽培面積は約4760haで主要品種の1つです。