開催のご挨拶
農研機構 食品研究部門では、おいしくて健康によい新たな食の創造と、AIやデータを利活用したフードチェーンのスマート化、食品の安全と信頼の確保に取組み、農業・食品産業の競争力強化に貢献できる成果創出を目指しています。
今年度は研究成果展示会を3年ぶりに対面で開催することとしました。本展示会では、研究の基礎段階から普及段階まで種々の開発段階の成果約80件を、担当研究職員がご来場者にポスターで直接紹介いたします。オンラインでも配信する公開講演会では、食品研究部門の3つの研究領域を代表する成果として、1.米粉と水だけで作る嚥下食、2.澱粉由来のエコフレンドリーな増粘・ゲル化剤の開発とその利用、3.新たな「遺伝子組換えでない」表示に対応した検査法、の3題について説明いたします。また、今年度から新たに全国食品関係試験研究場所の代表成果のショートプレゼン・ポスター発表を実施し、食品関連企業による展示と合わせて、食品関連研究・技術についての最新情報を幅広く入手いただけるよう企画しました。本展示会が、業種を越えた情報交換・交流の場となり、食品研究機関と食品関連産業界との連携の強化、共同研究の推進、新たな事業展開などのきっかけとなりますことを祈念しております。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
所長 亀山 眞由美
開催概要
日時 |
2022年11月2日(水)10:00~16:00 |
会場 |
つくば国際会議場(茨城県つくば市竹園2-20-3) |
参加費 | 無料 |
参加登録 | 不要(オンラインの公開講演会のみ必要) |
主催 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 |
問い合わせ先 |
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
来場の際の注意事項
・会場へのアクセスについては、つくば国際会議場の案内を参照ください。
・当日具合の悪い方は参加をご遠慮ください。
・開催日より過去14日以内に発熱等の症状があった方の参加はご遠慮ください。
・会場では、マスクの正しい着用、手洗い及び大声を出さないことへご協力ください。
・会話を行う場合は、できるだけ1メートルの距離を確保するようご協力をお願いいたします。
(1)第40回公開講演会(10:00~12:00)
第40回公開講演会は、会場での対面開催とオンライン配信によるハイブリッド開催を予定しております。オンラインで参加される場合のみ、2022年10月25日(火)までに参加登録をお願いいたします。
公開講演会(オンライン)参加登録 ※登録を締め切りました。
【プログラム】
1.農研機構の食品研究一押しの成果(10:00~10:45) | |
10:00~10:15 |
「高アミロース米粉を使用した嚥下食の開発」 芦田かなえ(食品健康機能研究領域) |
嚥下食の主食調理では、粥を炊いた後に、均一化・粘りの除去・まとまりの付与を目的として、澱粉分解酵素とゲル化剤を加えてからミキサーにかける手間が必要となる。アミロース含有率が普通の米よりも多い高アミロース米の澱粉は、糊化後に冷却するとゲル化する特性を示す。本講演では、高アミロース米品種を用いることによる、ミキサー・酵素・ゲル化剤不要の嚥下食用米粉の開発について紹介する。 | |
10:15~10:30 |
「澱粉系オイルゲル化剤の開発と応用」 岩浦里愛(食品加工・素材研究領域) |
澱粉は私たちの重要な栄養源の一つであるが、近年、再生可能資源としてその工業用途開発にも注目が集まっている。本講演では、澱粉を原料として得られる天然糖1,5-アンヒドログルシトールを基本骨格とした低分子量の有機溶媒用増粘・ゲル化剤C-AGの開発とその機能について紹介する。さに、C-AGの工業用途開発の一例として、アスファルト改質剤への応用について述べる。 | |
10:30~10:45 |
「新しい遺伝子組換え食品表示基準に対応した検査法(ΔΔCq法)」 高畠令王奈(食品流通・安全研究領域) |
わが国では、安全性審査済みの遺伝子組換え(GM)農産物は食品として利用可能であり、これら農産物とその加工食品については、消費者への情報提供を目的とした表示が必要となっている。GM食品の表示は食品表示法に基づいて実施されており、GM不使用の表示は、現行では非意図的な混入が「5%」まで許容されているが、令和5年4月より「不検出」へと厳格化される。本講演では、新しい表示基準に対応した検査法について紹介する。 | |
2.食品関係公設試験研究機関の研究成果ショートプレゼンテーション(10:45~12:00) | |
10:45~12:00 | 食品関係公設試験研究機関からの研究成果ポスター展示(20件程度)について各4分でショートプレゼンテーションを行います。(タイトル・発表者一覧 PDF[302KB]) |
(2)第20回研究成果ポスター展示(10:00~16:00)
農研機構が公表した最新の食品研究成果約80件と公設試験研究機関の研究成果約20件を、「食品健康機能」、「バイオ素材」、「食品加工」、「流通・利用」、「分析評価」、「食品安全・信頼」の6つの分類でポスター展示します。13:00~16:00の時間帯は、研究者本人が開発した新技術等について、対面でご説明します。