国産バイオ燃料・マテリアル生産技術の開発とバイオマスの地域利用システムの構築
直接燃焼用ペレット化や部分燃焼ガス化等のバイオ燃料変換技術に対応したエリアンサスなどのセルロース系資源作物をはじめとするバイオマス資源作物の選抜や改良を進める。また、これらの持続的な低コスト多収栽培技術を開発するとともに、栽培が土壌などの環境等に与える影響を解明する。
未利用地や耕作放棄地におけるバイオマス資源作物の持続的安定生産技術を開発するとともに、稲ワラ等の農業副産物や未利用資源を対象とした圃場からの低コスト収集・運搬・調製・貯蔵システムを開発する。また、これらのバイオマス資源を工学的にエネルギー変換・利用するシステムを構築するとともに、廃植物・動物油等については超臨界法等を用いた燃料製造技術の実用化を進める。さらに、藻類の培養とバイオ燃料変換に関する基礎技術を開発する。
未利用、低利用のセルロース系バイオマスのバイオエタノール等への変換技術に関して、原料特性を評価し、粉砕・前処理技術を最適化するとともに、発酵微生物の育種、高機能酵素の生産・利用等に係る革新的要素技術を開発する。また、副産物のカスケード利用技術の導入等により、原料からエタノール生産までの一貫した低コスト・低環境負荷プロセスを構築し、セルロース系バイオマスからバイオエタノールを100円/Lで製造できる技術を開発する。
畜産由来バイオマスの処理・利用プロセスの最適化を目指し、環境負荷の抑制技術及び窒素・リン化合物などの回収技術等を組み込むことで家畜排せつ物の堆肥化・浄化処理を高度化する。また、堆肥由来エネルギーの高効率回収・利用技術を開発する。さらに、再生可能エネルギーを活用したエネルギー自給型家畜飼養管理及び低環境負荷型の家畜排せつ物処理システムを構築する。
地域において、食料生産機能を維持しつつ、農業副産物、資源作物、畜産由来バイオマス等をエネルギーや資材として総合的に利用する技術を開発する。これにより、本格的なバイオマスタウン構築につながる地域循環利用システムを設計する。さらに、モニタリングに基づきバイオマス利活用技術の有効性の検証やエネルギー生産型農業・農村構築のための条件解明を行い、地域資源管理と一体的な低投入型バイオマス利活用システムを提示する。
普及成果情報
- 2015年 (主要普及成果)
- 畜産農家とサトウキビ栽培農家の連携による地域バイオマスの利活用推進
- 2015年
- 堆肥発酵熱を利用して寒冷期の乳量を増加させる連続温水給与システム
- 2014年 (主要普及成果)
- 非晶質ケイ酸カルシウムによる畜舎排水高度処理とリン回収
- 2014年 (主要普及成果)
- 自脱コンバインの排わらカッタを改造して稲わらの乾燥を促進
- 2012年
- 畑地におけるメタン発酵消化液の肥料効果と環境影響
- 2012年 (主要普及成果)
- 低温熱源である堆肥発酵熱を回収して温水へ変換するシステム
- 2011年
- メタン発酵消化液の輸送・散布計画の策定支援モデル
- 2011年 (主要普及成果)
- バイオマス活用のライフサイクルでの経済性・エネルギー収支の評価法
- 2011年
- パーライトを微生物担体とした好気性処理による酪農雑排水の効率的な窒素除去
- 2011年 (主要普及成果)
- 高温水が生成できるCO2ヒートポンプによる生乳のプレクーリングシステム
- 2011年 (主要普及成果)
- 多年生雑草が優先した耕作放棄畑の復元方法
研究成果情報
- 2015年
- リン酸肥料代替資材としての畜ふん燃焼灰
- 2015年
- 豚糞堆肥化処理におけるアンモニア低減細菌Bacillus sp. TAT105の製剤的利用
- 2015年
- 機械収穫適性に優れるエリアンサスの栄養繁殖品種「JEC1」の育成
- 2015年
- 薪ボイラーは空気供給条件の改善で木質および草本系ペレットを燃料利用できる
- 2015年
- ススキ-オギ種間雑種の大規模自生集団の発見と集団構造の解析
- 2015年
- ススキとオギの種間雑種を同定するためのDNAマーカー
- 2015年
- 草本系バイオマス作物の育種素材としてのオギ遺伝資源の探索収集とその特性
- 2015年
- 同時異性化発酵法による草本系バイオマスからのエタノール生産
- 2015年
- 半連続培養によるリグノセルロース糖化酵素の長期安定生産システム
- 2015年
- 畜産廃水活性汚泥処理水中のリン、亜鉛の濃度およびこれらに対するpHの影響
- 2015年
- 北関東におけるエリアンサスの乾物収量と養分収支
- 2014年
- 有用脂質含量の高い植物葉部
- 2014年
- FMP21遺伝子の発現量増加は出芽酵母の高温耐性を強化する
- 2014年
- 粉末硫黄を利用した畜舎排水中硝酸性窒素低減システム
- 2014年
- エリアンサス(Erianthus arundinaceus)は施肥以外の給源からの窒素獲得能が高い
- 2013年
- CaCCOプロセスによる稲わらおよびエリアンサスからの高濃度糖液製造
- 2013年
- バイオディーゼル燃料製造副産物を原料とした酵母による油脂生産
- 2013年
- 稲わらおよびソルガム稈部に含まれる機能性脂質セラミドの利用
- 2013年
- 高純度セラミドの連続分取技術
- 2013年
- 未変換ナタネ油を改造済ディーゼル発電機の燃料に使用して電源利用できる
- 2013年
- 長期間運転したメタン発酵槽内に蓄積する物質の特徴
- 2013年
- 異種遺伝子を含まない酵母を用いた高効率キシロース発酵法の開発
- 2013年
- エリアンサスの再生及び収量は越冬後収穫の方が秋季収穫より良好である
- 2013年
- エリアンサスの越冬後収穫は秋季収穫より圃場からの養分収奪を軽減する
- 2012年
- エリアンサス属及びサトウキビ属の主要遺伝資源・系統の遺伝的多様性
- 2012年
- シャークミルを用いた粉砕分画によるサトウキビ搾汁残渣のカスケード利用
- 2012年
- 高温におけるキシルロース発酵能を強化した酵母を用いたバイオエタノール生産法
- 2012年
- 生物脱臭装置での窒素成分と微生物の挙動解析
- 2012年
- 洗米排水飼料化の環境影響
- 2012年
- バイオエタノール生産技術のLCAのための経済波及効果・GHG排出量推定手法
- 2012年
- 国産ナタネ油の約5%はバイオ燃料製造を兼営する地場搾油である
- 2011年
- 高水分バイオマスを加水材として利用した高品質豚ぷん堆肥製造技術
- 2011年
- コメ由来エタノール生産における多収品種導入と稲わら持ち出しの環境影響評価
- 2011年
- 国頭マージにおける家畜ふん堆肥のソバに対する肥料効果
- 2011年
- 放射性物質汚染サイレージは堆肥化により周囲を再汚染することなく減量できる
- 2011年
- 異なる通気条件下での牛ふん尿スラリー中環境負荷物質および細菌群集の動態
- 2011年
- サトウキビの低温アルカリ(LTA)前処理による六炭糖回収とバイオエタノール製造
- 2011年
- 多様なエタノール変換プロセスに対応可能な糖化酵素生産システムの構築
- 2011年
- 地油生産に適したナタネ種子選別機
- 2011年
- イネ科バイオマス資源作物における土壌からの放射性セシウムの移行
- 2011年
- バイオマス資源作物エリアンサスの組織培養法の開発
- 2011年
- 超多収資源作物エリアンサスの新品種候補「JES3」の育成