農産物・食品の高度な加工・流通プロセスの開発
地域振興や食品産業の活性化につながる農畜産物及び加工品の高付加価値化のため、消費者や需要者のニーズに対応した農畜産物・食品の流通・加工技術を開発する。また、農業と食品産業等との連携による高付加価値商品の開発を支援するための手法を開発する。
我が国で生産される高品質、高機能性の農畜産物を活用するため、野菜・果樹・花では品質劣化機構等を解明し品質保持技術を新規に開発するとともに、乳製品においては加工適性、食肉においては格付項目等に影響する品質関連因子を解明し、新たな評価技術を開発する。さらに、これらの農畜産物の加工適性評価に基づき、特長を活用した新しい流通・加工技術を開発する。
食品素材中の糖質、タンパク質、脂質等の主要成分及び他の成分に着目し、それらの特性や組織構造を解析するとともに、特性改変等の手法を活用して、食品及び食品素材の価値の向上や新たな価値の創出が可能な技術を開発する。
環境負荷抑制、資源の利活用向上、生産性向上に寄与するため、CO2を低減する流通システムや加熱効率の向上や廃液量の低減につながる高品質加工システムの開発など、農産物・食品の流通・加工工程の改善や開発を行う。さらに、食品の高付加価値化のため、高圧処理やナノテクノロジー等の先端技術を活用した新規評価手法及び新規素材化技術等を開発する。
食料資源の効率的利用や新規素材の創出には生物機能の高度活用が重要なことから、ニーズに対応して利用可能な未知の生物機能を探索するための解析・評価技術を開発するとともに、その生物機能を生み出す多様な生命現象を解明する。また、有用物質の生産性向上及び機能性の向上を目指し、微生物等の環境適応機構の解明とその利用による新たな物質生産系の構築、及び生物の代謝機構の解明とその制御技術の開発、並びに酵素法等を利用した新規食品素材等とその製造技術の開発を行う。
農業と食品産業との連携による高付加価値商品の開発を支援するために、消費者の農産物購買・消費行動データの収集・分析システムを開発した上で、研究機構で開発した新品種や新技術を核とするコンソーシアム運営を通じて食品産業との連携関係を構築する方法を策定し、連携効果の定量的評価を通じて体系化を図る。
普及成果情報
- 2015年 (主要普及成果)
- 交流電界技術を用いた加工食品の高品質化
- 2014年 (主要普及成果)
- アクアガスバインダによる食品粉末の造粒技術
- 2014年 (主要普及成果)
- 葉の黄化抑制も可能なユリ香り抑制剤
- 2014年 (主要普及成果)
- 近赤外分光法を用いるトマト糖度非破壊計測時の推定精度改善
- 2013年
- 新品種・新技術を活用した食農連携の形成・促進のためのWebマニュアル
- 2013年 (主要普及成果)
- 高アミロース米による新規食品素材「米ゲル」
- 2013年
- もち米の胴割を安価・簡易に検査する「もち米胴割粒透視器」
- 2013年 (主要普及成果)
- 形状や大きさが多様なカキ果実を溶液処理のみで剥皮する方法
- 2012年
- コスト・環境負荷低減のための青果物のバルクコンテナ物流技術の開発
- 2012年 (主要普及成果)
- 日持ち保証に対応した切り花の品質管理技術の開発とマニュアルの策定
- 2011年
- 蛍光指紋によるパン生地中のグルテン・デンプン分布の可視化
- 2011年
- 「ごはんパン」に適した炊飯米特性と製造条件
研究成果情報
- 2015年
- 放線菌の生産するモデル二次代謝化合物「アクチノロージン」の生合成経路
- 2015年
- 果柄の離層形成を制御するリンゴの遺伝子
- 2015年
- 塩味増強効果のある食品素材の探索
- 2015年
- 持ちやすく損傷せず品質保持ができるリンゴ携行容器
- 2015年
- 金属製貫通型マイクロチャネル乳化デバイスを用いた均一サイズ液滴の連続生産
- 2015年
- ジャガイモの複葉抽出物による土壌中のそうか病菌の影響評価方法
- 2015年
- 増粘剤等添加物を使用しないグルテンフリーパン製造技術
- 2015年
- 複合脂質によるカロテノイドの腸管吸収調節機構の解明
- 2015年
- 脂肪の結晶化度と結晶多形の非破壊同時可視化技術と豚脂肪の特異的検出
- 2015年
- 豚肉の肉質関連代謝物質の分布およびと畜後の生成過程は筋肉間で異なる
- 2015年
- 好気培養で乳酸菌のカロテノイド生産が促進され、酸化ストレス耐性が向上する
- 2015年
- UHPLCを用いたイオンペア法による野菜汁液中硝酸イオンの迅速定量法
- 2015年
- ユリとチューリップの花弁の柔細胞では表皮細胞より早く老化が進行している
- 2015年
- ウンシュウミカンの食味関連成分の変化を少なくする貯蔵温度
- 2015年
- ブドウ「シャインマスカット」のマスカット香を保ちやすい貯蔵温度
- 2015年
- プレミアム価格を用いた地域ブランドの価値推計法
- 2014年
- 乳酸菌のキシラン及びムチンへの付着
- 2014年
- 短波帯交流電界処理による味噌酵素の失活
- 2014年
- 蛍光指紋イメージングによるグルテン・澱粉・バターの3成分分布の同時可視化
- 2014年
- ESRスピントラップ法による油中ラジカルの簡易・迅速計測
- 2014年
- NF膜によるクランベリー果汁からの安息香酸回収
- 2014年
- 増粘剤を使用しないグルテンフリー米粉パンの製造基盤技術
- 2014年
- 穀物の粉の吸水特性を改変する方法の開発
- 2014年
- 澱粉の酵素分解性に対するキサンタンガムの制御機構の解明
- 2014年
- LC-MS/MSを用いたトマトのオスモチン様タンパク質Protein NP24の定量法
- 2014年
- ダイズ・大豆食品のイソフラボン分析法の改良と妥当性確認
- 2014年
- プロテオミクスによる骨格筋細胞分泌因子の解析
- 2014年
- ハボタンの臭気成分とその発生要因
- 2014年
- エチレン非依存性花きの老化を制御する新規遺伝子の特定
- 2014年
- オーキシンはモモの成熟後期における軟化を誘導する
- 2014年
- 酵素剥皮技術で加工したウンシュウミカンの市場受容性
- 2013年
- チューリップの香気成分解析と香りの分類
- 2013年
- ペチュニアにおける花の香気成分生産のメタボロームプロファイリング
- 2013年
- 消費者は「かみ切りやすく」かつ「変形しやすい」牛肉をやわらかいと感じる
- 2013年
- ウシ半腱様筋および咬筋のmicroRNA発現プロファイル
- 2013年
- 乳酸菌由来カロテノイドは乳酸菌のマルチストレス耐性向上に利用できる
- 2013年
- ゲノム重複による遺伝子の多コピー化を利用した微生物育種法
- 2013年
- 新規糖質ホスホリラーゼの発見とそれらを利用したオリゴ糖製造技術
- 2013年
- ホスファターゼ欠損麹菌の育種により加熱処理不要でだし入り味噌が製造できる
- 2013年
- 中高圧処理によるかぶら寿しの促成製造
- 2013年
- 数値流体力学(CFD)の適用による包装容器内の通風効率改善
- 2013年
- 脂質による脂溶性機能成分の生体利用性向上
- 2013年
- 米粉パン特有のテクスチャーを回復率や伸長率の測定によって数値化する
- 2012年
- 分離と混合を同時に行う薄層クロマトグラフィーの開発と新奇補助色素の検出
- 2012年
- 黄花色のユリにおいて老化に伴う花弁の彩度低下は観賞価値を下げる
- 2012年
- 乳酸菌が生産するプラスミノーゲンを活性化する因子
- 2012年
- 食肉脂肪の結晶状態の非破壊評価法
- 2012年
- 米粉のパン加工適性評価のための吸水性簡易評価法
- 2012年
- NMRメタボロミクスによるジャガイモ疫病抵抗性品種・系統の識別マーカーの同定
- 2012年
- 脂質ラフト構造破壊による酸化LDL受容体の機能制御
- 2012年
- 農産物の購入・調理・食事プロセスを把握できる食行動データ収集・分析システム
- 2012年
- 直売所における切り花需要量の予測ソフトウェア
- 2011年
- 農産物直売所の地域農業への影響評価計測方法
- 2011年
- 高齢化地域での地元農産物の集荷・加工・販売・配達を支援する情報システム
- 2011年
- トマト果柄のジョイントレス形質に関与する新規遺伝子
- 2011年
- グリシンとD-アラニンをペプチドから遊離する新規麹菌アミノペプチダーゼ
- 2011年
- ラマン分光による牛脂および豚脂の迅速判別法
- 2011年
- エチレンおよび受粉によりササ系リンドウの花持ちは短縮する
- 2011年
- 寒玉系キャベツの加工品質に及ぼす収穫時期と貯蔵の影響
- 2011年
- リンゴ「つがる」では予冷することで1-MCP処理による鮮度保持効果が高まる