家畜の代謝特性に基づく飼養管理及び家畜の安定供給のための育種・繁殖技術の開発

家畜育種では、家畜の生涯生産性を向上させるため、家畜の強健性や繁殖性等について遺伝的能力の評価基準を開発する。また、鶏の経済形質の改良に有用な遺伝情報を探索するとともに、育種素材開発のための遺伝子改変技術を確立する。ミツバチではミツバチ不足に対応し、蜂群の維持に最も重要な抗病性付与技術を開発する。

繁殖では、近年、発情微弱化や胚死滅により牛の受胎率が低下している。そこで、発情微弱化要因及び妊娠維持機構を解明し、発情発現の明瞭化方策を提示するとともに、早期妊娠診断や胚死滅時期の特定に利用できる妊娠のモニタリング指標を策定する。また、黄体機能の賦活による受胎率向上技術、抗酸化機能性物質等を活用した繁殖性改善技術を開発する。

さらに、家畜胚生産を高度化するため、遺伝子発現やエピジェネティクス情報等を活用したクローン胚等の品質評価法、個体への発生能の高い生殖細胞・胚の生産及び長期保存技術など、生殖工学手法を活用した高品質な生殖細胞・胚の生産を可能とする基盤技術を開発する。

飼養管理では、生産水準の高度化に伴い、強い生理的負荷に起因する代謝性疾患等が起きやすくなっている。そこで、精密な栄養管理に加え、機能性飼料添加物を利用することなどにより、高い生産効率を確保しつつ、健全性を栄養生理面から改善可能な飼養管理技術を開発する。

また、国産畜産物の更なる品質向上と生産の効率化を目指し、家畜の初期成長期の栄養制御がその後の生産特性に及ぼす影響を解明するとともに、粗飼料の利用効率を高めるため、ルーメン発酵の制限因子の解明等の基盤的研究を推進する。

乳牛の泌乳ピーク期は、次の繁殖への準備期と重なり生産病発症のリスクも高い。そこで、泌乳ピーク期の生理的な負担低減という新たな視点から、生産現場における泌乳曲線を平準化するための牛群改良手法の開発、泌乳期の栄養生理指標の策定及び泌乳曲線平準化による抗病性や受胎率の向上により収益性を現行から1割の改善可能な省力化牛群管理技術を開発する。