果樹・茶の持続的高品質安定生産技術の開発
果樹・茶における持続的高品質安定生産による高収益を確保するために、消費者・生産者のニーズに対応した品種を育成するとともに、省力・軽労化が可能な生産システムを開発する。
ニホンナシでは、授粉や摘果の省力化が可能な自家和合性又は自家摘果性の良食味品種を育成する。また、着果管理を中心とした省力・軽労化技術及び果肉障害対策技術等の安定生産技術を開発する。
カキでは、結実性・日持ち性が良く、良食味の完全甘ガキ品種を育成する。また、わい性台木の選抜を進め、低樹高化により年間の主要作業時間を慣行栽培に比べ15%程度削減できる技術を開発する。ブドウ、核果類及びクリ等においても食味・食べやすさ等が優れる商品性の高い品種の育成を目指して系統の特性解明と評価を進める。
カンキツでは、食べやすく、機能性成分を多く含み、成熟期の異なる良食味の品種を育成するとともに、加工専用樹園地を対象に年間の主要作業時間を慣行栽培に比べ2割以上削減可能な省力・低コスト安定生産技術を開発する。また、樹体の生体情報を活用したカンキツの高品質安定生産技術を開発する。
リンゴでは着色性、病害抵抗性等が優れ、良食味の品種を育成する。さらに、着色・着果管理等の省力・軽労化を図るため、摘葉技術等の要素技術を開発する。
茶では、病虫害複合抵抗性や多様な香味を持つ安定多収品種を育成する。また、タンニン類の新しい機能性成分を多く含む系統を開発する。さらに、乗用精密肥料散布機等を活用した省力で低コストな乗用機械化一貫作業体系を開発する。
効率的に品種育成を行うため、DNAマーカーを用いてニホンナシやカンキツの高精度遺伝子地図を構築するとともに、遺伝子発現情報やゲノム配列と関連づけることで一層の高精度化を図る。さらに、それらを活用し、結実性、果実形質、病害抵抗性などと関連するDNAマーカーとその利用技術を開発する。
普及成果情報
- 2015年
- 傾斜地果樹園に簡易に作業道を造成する作業道造成機
- 2015年 (主要普及成果)
- 簡易土壌水分計の水位低下量はカンキツが受けている乾燥ストレスの指標となる
- 2015年 (主要普及成果)
- 高糖度で外観に優れ、種なし栽培可能なカキ新品種「麗玉」(れいぎょく)
- 2015年 (主要普及成果)
- 大果で裂果が少なく、種なし栽培可能なカキ新品種「太雅」(たいが)
- 2015年 (主要普及成果)
- 自家和合性で良食味のニホンナシ新品種「なるみ」
- 2014年
- CAPSマーカーによるカンキツの品種識別技術
- 2014年
- ニホンナシの収穫期と果皮色を支配する主要なQTLの同定
- 2014年
- 茶品種「そうふう」のアロマプロファイルと香気を活かす生産技術
- 2014年 (主要普及成果)
- 植物生長調節剤散布による早生及び中生ウンシュウミカンの浮皮軽減技術
- 2014年 (主要普及成果)
- かいよう病に強く豊産性のレモン新品種「璃の香」
- 2014年 (主要普及成果)
- 良食味で結実性が良好な晩生の完全甘ガキ新品種「太豊(たいほう)」
- 2014年 (主要普及成果)
- 黒斑病・黒星病複合抵抗性を持つ良食味のニホンナシ新品種「ほしあかり」
- 2014年 (主要普及成果)
- 極早生で良食味のニホンナシ新品種「はつまる」
- 2013年 (主要普及成果)
- 気温差制御により防霜ファンの稼働時間を短縮し低コスト化できる
- 2013年
- 冬期のマシン油乳剤散布によるチャ赤焼病の発病助長とその抑制技術
- 2013年
- マルドリ方式等の水源を確保するための太陽光発電を用いた揚水システム
- 2013年 (主要普及成果)
- ブドウ花冠取り器によるさび果の軽減効果
- 2013年
- ニホングリ易渋皮剥皮性を判別するDNAマーカー
- 2013年
- ニホンナシ「あきづき」と「秋麗」は溶液受粉が可能である
- 2013年 (主要普及成果)
- 高糖度、軟肉質で食味良好、豊産性の晩生ニホンナシ新品種「甘太(かんた)」
- 2013年 (主要普及成果)
- 大果で暖地でも花芽枯死の少ない早生のニホンナシ新品種「凜夏(りんか)」
- 2012年 (主要普及成果)
- 大果で食味が優れる早生セイヨウナシ新品種「ジェイドスイート」
- 2012年 (主要普及成果)
- 極めて糖度が高く、良食味の中生カンキツ新品種「あすみ」
- 2012年 (主要普及成果)
- 早生、良食味で外観美麗なカンキツ新品種「みはや」
- 2012年 (主要普及成果)
- DNAマーカーによる品種識別を効率化する3つのソフトウエアの開発
- 2012年 (主要普及成果)
- SSRマーカーを基にしたチャの標準連鎖地図
研究成果情報
- 2015年
- 新芽の含水率と中性デタージェント繊維含有量による一番茶摘採適期の判定
- 2015年
- チャ赤焼病の発病抑制可能な銅剤事前散布法に適する銅水和剤とマシン油乳剤
- 2015年
- マシン油乳剤散布による発病助長を利用したチャ赤焼病強度抵抗性検定法
- 2015年
- チャ品種・系統の赤焼病抵抗性
- 2015年
- 被覆栽培に適した高品質な緑茶用新品種「せいめい」
- 2015年
- ウンシュウミカンの2種類のGA20酸化酵素遺伝子は異なる発現特性を示す
- 2015年
- カンキツの転写因子遺伝子CubHLH1はトマト果実のカロテノイド代謝を変化させる
- 2015年
- ニホンナシ黒斑病感受性に連鎖するDNAマーカー
- 2015年
- リンゴの摘花剤散布は果実を肥大させ、摘果剤との併用で摘果作業も省力できる
- 2015年
- 早期摘葉によるリンゴ高品質果実生産方法
- 2015年
- ブドウ果皮のアントシアニン組成を制御する主要な遺伝子座の同定
- 2015年
- ブドウべと病菌分生子の正確な計数には界面活性剤を使用する
- 2015年
- ニホングリ「ぽろたん」における家畜ふん堆肥の施用が耐凍性に及ぼす影響
- 2015年
- ニホングリ「ぽろたん」における凍害防止に有効な土壌水分条件
- 2015年
- SSRマーカーに基づく主要ナシ母本の近縁度および近交度の推定
- 2015年
- ニホンナシの収穫期に関連するDNAマーカーの検証
- 2015年
- ホルクロルフェニュロン添加によるナシ「豊水」の溶液受粉における結実率向上
- 2015年
- モモ栽培では硫酸カリウムと同様に塩化カリウムを肥料として利用できる
- 2014年
- カンキツ未成園における「マルドリ方式」の有効性と導入条件
- 2014年
- 傾斜地カンキツ園における園内道整備のための設計支援システム
- 2014年
- 緑茶製造の蒸熱時における茶葉中ペクチンの低分子化
- 2014年
- 単純反復配列(SSR)マーカーに基づいたチャ遺伝資源コアコレクションの構築
- 2014年
- 甘露排出量を指標としたチャのチャノミドリヒメヨコバイ抵抗性評価法
- 2014年
- CAPSマーカーおよびSNPマーカーで構築されるカンキツの標準連鎖地図
- 2014年
- リンゴの収穫期など複雑な果実形質を支配する主要なQTLの同定
- 2014年
- リナロールの抗菌活性とウンシュウミカンでのリナロールを合成する遺伝子の発現
- 2014年
- SNPマーカーを利用したニホンナシ高密度連鎖地図
- 2014年
- リンゴの自家摘果性品種は摘果作業の省力化に有効である
- 2014年
- リンゴの高着色品種では高温下におけるアントシアニン蓄積能力が高い
- 2014年
- リンゴのS9-およびS10-RNaseに連鎖したF-box遺伝子群の単離と解析
- 2014年
- SCARマーカーによるカキ「太月」、「太天」の交雑実生の甘渋性識別
- 2014年
- 短期間の土壌乾燥ストレスがカキ果実の水分特性および果実品質に及ぼす影響
- 2014年
- 欧州ブドウから見出されたブドウ黒とう病の量的抵抗性
- 2014年
- ブドウ果皮のアントシアニン含有量に関与する新規遺伝子座
- 2014年
- ニホングリ在来品種の丹波地域から地方への伝搬の分子遺伝学的検証
- 2014年
- ほうき性で菊咲き性および白色の花弁をもつ花モモ新品種「白楽天(はくらくてん)」
- 2014年
- ほうき性で菊咲き性および桃色の花弁をもつ花モモ新品種「舞飛天(まいひてん)」
- 2014年
- 収穫6~3週間前の果実周囲の温度上昇は「新高」のみつ症を助長する
- 2014年
- 単一花粉PCRによる花粉側自家和合性系統415-1が生産する和合性花粉の検出
- 2013年
- 長い塩基反復単位を持ち誤判定の少ないニホンナシの新規SSRマーカー
- 2013年
- eQTL解析により明らかとなったカンキツの新規カロテノイド代謝調節因子候補
- 2013年
- リンゴの早期落果程度の評価には幼果の肥大量の測定が有効である
- 2013年
- リンゴのカラムナー性に極めて強く連鎖するDNAマーカー
- 2013年
- 果肉が桃色で加工から生食まで幅広く利用できるリンゴ新品種「ローズパール」
- 2013年
- 果肉が赤く食味の良い生食・加工用リンゴ新品種「ルビースイート」
- 2013年
- 新梢への付傷接種法によるモモのせん孔細菌病の拡大抵抗性の品種間差異
- 2013年
- ニホンナシ花粉側自家和合性突然変異体415-1の自家和合化の原因
- 2013年
- ガンマ線照射花粉の交配により獲得したニホンナシ花粉側自家和合性突然変異体
- 2013年
- LAMP法によるニホンナシ自家和合性個体の選抜
- 2012年
- SSRマーカーによる日本のパインアップル品種のDNA品種識別
- 2012年
- ナシの単為結果性の品種間差異とマイクロアレイ法による遺伝子発現解析
- 2012年
- チャノミドリヒメヨコバイに抵抗性を有するチャ遺伝資源系統
- 2012年
- チャにおける発現遺伝子の塩基配列大量解読とカタログ化
- 2012年
- ニホンナシの樹体ジョイント仕立てにおける樹体間の窒素移行
- 2012年
- リンゴ全ゲノムをカバーする台木および野生種の連鎖地図
- 2012年
- 休眠状態の異なるニホンナシ葉芽における遺伝子発現の網羅的解析
- 2012年
- 有機物長期連用ブドウ園地における土壌中全炭素の蓄積特性
- 2012年
- ニホンナシ葉緑体ゲノムの全塩基配列決定
- 2012年
- レトロトランスポゾン挿入多型に基づくニホンナシの品種特異的DNAマーカー
- 2012年
- ナシの自家和合性S4smの花粉は、花柱のS1、S4双方と不和合性を示す
- 2012年
- ニホンナシとチュウゴクナシの栽培品種は遺伝的に極めて近縁である
- 2012年
- リンゴの酸含量の遺伝は主働遺伝子と微働遺伝子の混合モデルにより説明できる
- 2012年
- ニホングリ品種「ぽろたん」の易渋皮剥皮性の遺伝様式
- 2012年
- 「マルドリ方式」を導入するためのカンキツ高品質果実率の改善目標
- 2012年
- 高糖度カンキツ果実生産に必要な乾燥による水分ストレス付与の時期
- 2012年
- カンキツにおけるダイレクトPCR法
- 2012年
- イチジク株枯病抵抗性をもつイチジクとイヌビワの種間交雑体の獲得
- 2012年
- カンキツの268個のSNP遺伝子型を迅速に決定できるアレイの開発
- 2012年
- 成熟期ブドウ果粒への低温と光の同時処理は相乗的に果皮の着色を促進する
- 2012年
- 遺伝子機能の解明やDNAマーカー開発に有効なカンキツのゲノム情報
- 2012年
- ウンシュウミカンから単離したゲルマクレンA合成酵素遺伝子
- 2012年
- 病斑数ならびに病斑径によるブドウ黒とう病抵抗性評価法
- 2012年
- カキ育種における柔軟・多汁な実生個体の出現率の推定
- 2011年
- リンゴ樹の接ぎ木部の折れやすさはJM系台木の種類により異なる