野菜・花きの高収益生産技術の開発
露地野菜生産では、地下水位制御システム(FOEAS)や畑地用地下灌漑システム(OPSIS)を活用した水管理による安定生産技術や、出荷2週間前に収穫予測を行い、それを基に出荷調整を支援する技術を開発する。施設野菜生産では、地中蓄熱を利用した省エネ・低コスト・耐候型の栽培施設を開発するとともに、太陽光利用型植物工場における栽培管理の省力化、省エネ化、安定多収化、減農薬、機能性成分の量的制御を可能とする技術を開発し、トマト生産では年間収量55t/10aを実現できる技術の体系化を行う。野菜育種では、加工・業務用途や施設での高品質・多収生産に適した品種を育成するとともに、遺伝資源やゲノム情報を活用した育種基盤技術を開発し、病害虫抵抗性等の先導的形質を持った品種・中間母本を育成する。また、機能性成分に富んだ野菜品種の効果的な育種を行うための評価法やそれを利用した効率的な選抜技術を開発する。花きでは、輸出等の新たな需要の拡大を目指して、ゲノム情報を活用した分子育種により、キクやカーネーションにおいて花型や花色が希少な形質や日持ち性の良さ、病害虫抵抗性を持ち実需者や消費者のニーズに対応した品種・系統を育成する。暖房経費の高騰や夏季の高温に対処するため、主要花きにおいて、局所温度管理等による温湿度の環境制御、CO2の長期長時間施用及び養液による肥培管理を活用した高品質花き生産技術を開発する。また、切り花の輸出等を可能とするため、ダリアのように日持ちは短いが実需者ニーズが高い花き品目について、植物成長調節物質処理を活用し、切り花の品質保持期間を2倍に延長できる技術を開発する。さらに、露地野菜においては産地間連携に役立つ収穫予測・出荷調整支援技術の生産現場への実装に取り組み、周年安定供給の確保につなげる。大型施設栽培においては、都道府県や大学、民間企業と連携しながら、トマトを始めとする果菜類の低コスト・高品質・多収生産の総合的な実証を行うことにより、大規模に集約された次世代施設園芸拠点の形成に貢献する。野菜や花きの品種育成においては、公設試や民間企業と連携した現地実証試験を実施し、先導的品種の普及を進めるとともに、民間や都道府県の育種を下支えする。また、花きの生産・品質管理技術に関しては、公設試、普及組織、流通業者と連携して実証試験を行い、普及の促進を図る。
普及成果情報
- 2020年
- 日持ち性の優れる切り花用ダリア新品種エターニティシリーズの育成
- 2020年
- Fusarium solaniによるトルコギキョウ立枯病抵抗性の水耕装置を用いた検定法
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2020年
- 多収性の夏秋どり栽培向け四季成り性イチゴ品種「夏のしずく」
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2019年
- 効率的に作業記録が可能で省力化に寄与する施設園芸用作業管理システム
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2018年
- 換気窓連動の二酸化炭素施用により暖地トルコギキョウ冬季生産における収益が向上する
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2018年
- 栽培イチゴの四季成り性と連鎖したDNAマーカー
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2018年
- 臭わず黄変しないダイコン品種「悠白」、「サラホワイト」の栽培と利用の手引き
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2018年
- 省力的な栽培が可能で、大果で日持ち性に優れた多収性イチゴ品種「恋みのり」
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2018年
- イチゴ苗表面の病害虫を防除できる蒸熱処理装置とその利用マニュアル
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2018年
- 園芸用施設への微小害虫の侵入を抑制する新防虫ネット
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2017年
- 花を利用した認知リハビリテーションの手引き書
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2017年
- ダリアに感染するウイルス・ウイロイドの同時検出技術
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2017年
- 人工光閉鎖型育苗と水耕栽培等によるトルコギキョウの年3作周年生産技術体系
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2017年
- 台風常襲地における耐候性LED電球を活用したキクの安定生産技術
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2017年
- 適品種を用いた露地電照栽培による夏秋小ギクの計画生産技術
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2016年
- 水耕栽培トルコギキョウの根腐病に対する、化学合成農薬の初の適用拡大
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2016年
- ダイコンのグルコラファサチン欠失性を選抜できるDNAマーカー
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2016年
- 施設園芸で収量・作業時間のモニタリングを自動化するシステム
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2016年
- 中小規模施設向けで汎用性が高いUECS規格の環境計測・制御システム
研究成果情報
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2020年
- キクの高温開花遅延をもたらす高温感受性の日周変動
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2020年
- トレニアにおける2種類のクラスC転写因子の機能の抑制による雄蕊および雌蕊の花弁化
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2020年
- キサントフィルエステル化酵素遺伝子の導入は花弁の濃黄色化を促進する
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2020年
- 二倍体野生種のゲノム情報を利用したキクDNAマーカーの効率的な開発技術
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2020年
- タマネギの育種的特性を組み込んだシミュレーションに基づくゲノム選抜法の評価
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2020年
- 肥大性に優れ煮ダイコンに適するグルコラファサチン欠失性品種「ムッシューホワイト」
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2020年
- ナスpad-1変異体の単為結果性機構
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2020年
- AI機械学習を用いたトマト産地の出荷量予測技術
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2020年
- 低段密植栽培における塩類ストレスによる高糖度トマト生産の乾物生産特性
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2020年
- ブロッコリー花蕾の大型化によるフローレット増収技術
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2020年
- 総ポリフェノール量が多く、抗酸化活性が高いイチゴ品種「ぽりっちご」(旧系統名:久留米66号)
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2020年
- 東北地域での春まき・秋まき栽培の特性データに基づいたタマネギ品種・系統の分類
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2020年
- カボチャ品種の高貯蔵性を推定する果実の糖比率指標
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2019年
- 「平成30年台風21号」によるパイプハウスの被害の特徴と対策
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2019年
- キクの開花に繰り返し短日遭遇を必要とさせるフロリゲン様遺伝子自己誘導機構
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2019年
- クラウン部局所加温によるガーベラの花茎発生および伸長の促進
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2019年
- 交雑育種によるダリアの日持ち性向上に適した育種素材
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2019年
- キク二倍体近縁野生種キクタニギクの全ゲノムの塩基配列の解読
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2019年
- ゲノムワイドマーカーを用いて構築した世界的ナスコアコレクション
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2019年
- 揃いと収量性に優れるグルコラファサチン欠失性のダイコン「令白」
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2019年
- 高温による内部褐変症に強い「だいこん中間母本農6号」
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2019年
- 強度の根こぶ病抵抗性と高い実用形質を有するキャベツ「YCRふゆいろ」
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2019年
- メロン退緑黄化病抵抗性個体の選抜に有効なDNAマーカー
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2019年
- メロン退緑黄化病抵抗性を有する「メロン中間母本農5号」
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2019年
- キュウリ黄化えそ病抵抗性を有するキュウリ「緑夏」
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2019年
- ブロッコリーV字仕立てによる12cm径花蕾の2花蕾どり増収技術
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2019年
- イチゴ果実の抗酸化能は測定が簡便な総ポリフェノール量を代替指標として利用できる
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2019年
- イチゴ果実への光合成産物の転流動態や果実シンク活性に及ぼす果房内着果順位の影響
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2018年
- 屋根開放型温室の高温抑制効果と室内環境の特徴
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2018年
- フラワーアレンジメントの作成による高次脳機能障害者の記憶力向上
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2018年
- 八重咲きトルコギキョウの花弁数を増加させる温度制御技術
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2018年
- アセトシリンゴン処理によるトルコギキョウの形質転換効率の向上
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2018年
- ペチュニア花弁におけるカロテノイドによる淡黄色花色の発現機構
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2018年
- ペチュニアの転写因子PhCOL16は花冠におけるクロロフィル生合成を促進する
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2018年
- トマト黄化葉巻病抵抗性遺伝子Ty-2の原因遺伝子TYNBS1
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2018年
- 生育・収量予測ツールによるトマト年間収量55t/10aの実現
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2018年
- 多日射条件時の茎数増加が促成栽培トマトの生育・収量に及ぼす影響
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2018年
- 物質生産に基づいたトマトの生育予測技術
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2018年
- ブロッコリー側枝L字仕立てによる端境期の側花蕾収穫技術
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2018年
- カラムナータイプのリンゴでは根特異的ジオキシゲナーゼ遺伝子が地上部でも発現している
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2017年
- 熊本地震の被害事例からみた温室とその附帯施設の破壊パターンと対策
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2017年
- ペチュニア新品種「F1ブルームーン」の香気成分の特徴
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2017年
- キクに青い花を咲かせる技術
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2017年
- 転写因子ANAC046は葉や花弁におけるクロロフィルの分解に関与する
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2017年
- キクの花弁におけるクロロフィルの蓄積機構
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2017年
- キク栽培品種を利用した網羅的EST解析
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2017年
- トマト品種系統間でも多型検出が容易なゲノムワイドSSRマーカー
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2017年
- 施設園芸用栽培ベッドを接触検出して自動直進する小型電動台車走行システム
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2017年
- 単収を増加できるトマト低段栽培用密植移動栽培ベンチ
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2017年
- 葉先トリミング処理がトマト群落の受光態勢及び乾物生産に及ぼす影響
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2017年
- 地下灌漑システムOPSISを用いたホウレンソウの灌水技術
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2017年
- 大果で高糖度の観光農園・直売向け良食味イチゴ新品種「あまえくぼ」
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2017年
- 人工光型植物工場で栽培した低硝酸リーフレタス品種「L-120」の根部特性
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2017年
- 多収で極晩生の一季成り性イチゴ新品種候補「イチゴ盛岡36号」
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2017年
- 貯蔵性、収量性に優れる加工用短節間性新品種候補「カボチャ北渡交4号」
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2016年
- 蓄熱水槽を2つ有するヒートポンプシステムの地下水熱源の有無による暖冷房性能比較
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2016年
- オリエンタル系ユリにおける温度と個体光合成および呼吸、乾物蓄積との関係
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2016年
- ジャスモン酸メチルは蕾段階で収穫したトルコギキョウの着色ムラを改善し、開花を促進する
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2016年
- 上下が相称の花をつけるトレニアの変異体
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2016年
- 花器官特異的プロモーターと転写抑制因子による花色・花形の効率的な多様化
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2016年
- CRISPR/Cas9を用いたキクのゲノム編集技術
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2016年
- 強度のレタスビッグベイン病抵抗性を有するマーカーフリー組換えレタス
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2016年
- ネギの抽だい期を支配するQTL
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2016年
- 食感・形状の定量的評価法を用いた多様なキュウリの果実品質の特徴付け
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2016年
- 土壌病虫害複合抵抗性台木用トウガラシ品種候補、トウガラシ安濃交3号
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2016年
- 圃場で栽培するレタスにおいて、花成進行に伴って発現量が増加する花成関連遺伝子群LsFT、LsFVEL、LsFLDL、LsLDL
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2016年
- 紫外線除去フィルム被覆による濃赤色リーフレタスの生育促進と被覆解除後の着色回復
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2016年
- 遮光ホワイトアスパラガス伏せ込み促成栽培において、雌雄株で株あたり収量の差はない
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2016年
- 大果で収量性が高く、省力栽培が可能なイチゴ新品種、「恋みのり」