農業生物の機能解明に基づいた生産性向上と産業利用のための技術開発

農作物、昆虫等の農業生物のゲノム情報の高度な解析やオミクス解析を行い、そこから得られたデータを統合したゲノム情報基盤を構築するとともに、生産性や耐病性等の農業形質に関わる有用遺伝子の機能解析や生物間相互作用の解明を推進する。遺伝子組換え・ゲノム編集技術及びオミクス解析技術等を農作物や昆虫に適用し、生産性向上・有用形質付与のための基盤技術を開発する。また、家畜においても、ゲノム編集や新しい生殖技術を駆使して、動物遺伝資源の新たな保存・利用技術及び抗病性を付与するための基盤技術を開発する。組換え植物やカイコを用いた医薬品・機能性成分等の有用物質生産系の性能向上と実用化のための技術を開発するとともに、離島又は中山間モデル地域で、有用物質を生産するカイコ等の生産を開始する。新特性シルク素材や生体物質由来の新機能性素材を作出するとともに、それらを実用化するための加工技術や生物多様性に影響を及ぼさない遺伝子組換えカイコの飼育・管理技術を開発する。さらに、有用物質生産や新機能性新素材の開発に当たっては、研究成果の普及を図るため、研究開始時に社会実装を想定した知財戦略を策定し、研究成果を試薬・製薬企業、製糸業者や繊維業界、化粧品企業等に速やかに移転する。特に、組換え作物やカイコを用いて医薬品・機能性成分や新機能性素材等を生産する技術に関しては、臨床研究や現地実証試験を可能な限り民間事業者を含む関係機関と連携して実施し、これらの研究成果を民間事業者等に移転することにより、速やかな産業化を目指す。

研究成果情報

2020年 高度解析センター
DNA配列断片(k-mer)の照合による外来性DNAの検出方法
2020年 高度解析センター
日本産高級マスクメロンの全ゲノム情報
2020年 次世代作物開発研究センター
麦類のストレス耐性遺伝子群
2020年 次世代作物開発研究センター
小麦農林61号を含む世界の実用コムギ品種の高精度ゲノム配列情報
2020年 生物機能利用研究部門
創薬に有用な「高い経内皮電気抵抗値を有するヒト微小血管内皮培養モデル」の開発
2020年 生物機能利用研究部門
生き物が干からびても死ななくするために必要な物質を解明
2020年 生物機能利用研究部門
クリック反応によるシルク基材上での細胞増殖制御
2020年 生物機能利用研究部門
新規ナノバイオ強化材料の開発に繋がるシルクフィブリル階層構造の評価法
2020年 生物機能利用研究部門
遺伝子組換えカイコのクローン化方法
2020年 生物機能利用研究部門
お米(イネ胚乳)の生長を制御するOsEMF2a遺伝子
2020年 生物機能利用研究部門
豚腎臓マクロファージ不死化細胞の豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス解析への利用
2020年 生物機能利用研究部門
共生細菌ボルバキアの感染拡大に伴う異種間浸透の実態
2020年 生物機能利用研究部門
BT剤の有効成分の一つ、Cry2Aに対する抵抗性の原因遺伝子
2020年 生物機能利用研究部門
標的組換えとマーカー遺伝子除去によって目的変異のみを導入できる精密ゲノム編集技術
2020年 生物機能利用研究部門
FnCas12a標的配列長の最適化による高効率ゲノム編集
2020年 生物機能利用研究部門
植物における一体型ベクターを用いたCRISPR/Cas9を介した汎用的精密ゲノム編集技術ジーンターゲッティング系の確立
2020年 生物機能利用研究部門
ウイルスベクターを用いた植物のDNAフリーゲノム編集法
2020年 生物機能利用研究部門
漏生イネ対策のためのHIS1破壊によるゲノム編集除草剤感受性系統の作出
2020年 生物機能利用研究部門
BSR2高発現により4種の重要病害に抵抗性を示すトマト
2020年 生物機能利用研究部門
根粒菌共生効率を制御するマメ科植物プロテアーゼ
2020年
Twitterの投稿解析によるゲノム編集食品に関する意識動向調査
2019年 高度解析センター
大規模ゲノム情報比較のためのブラウザ TASUKE+
2019年 次世代作物開発研究センター
イネのOsELF3-1遺伝子は光シグナルを抑制して出穂期を調節する
2019年 生物機能利用研究部門
常温乾燥保存可能な昆虫細胞で強力に働く遺伝子のスイッチ
2019年 生物機能利用研究部門
生ワクチン用微生物の生死を操る技術
2019年 生物機能利用研究部門
エリサン(Samia cynthia ricini)シルクの微量構造成分制御による新素材
2019年 生物機能利用研究部門
昆虫の不妊化に有効な細胞死誘導エフェクター因子
2019年 生物機能利用研究部門
殺虫活性が期待されるRNA制虫剤候補遺伝子
2019年 生物機能利用研究部門
タンパク質の質量分析によるカイコに感染する微胞子虫の簡易同定法の開発
2019年 生物機能利用研究部門
ゲノム編集を利用して明らかにしたカイコ卵形成遺伝子の機能
2019年 生物機能利用研究部門
ゲノム編集を用いたイネカルスへのβカロテン蓄積
2019年 生物機能利用研究部門
イネに広範な病害抵抗性を付与する仕組み
2019年 生物機能利用研究部門
イネ由来のトリケトン系除草剤抵抗性遺伝子
2019年 生物機能利用研究部門
マメ科植物の根粒と側根の発達は共通した遺伝子が制御する
2019年 生物機能利用研究部門
カイコの高精度参照ゲノム配列情報
2018年 高度解析センター
天然化合物の立体構造データベース
2018年 次世代作物開発研究センター
コムギの粒数を制御する遺伝子
2018年 次世代作物開発研究センター
倒伏したソルガムの糖含量と糖組成に影響する遺伝子発現
2018年 次世代作物開発研究センター
植物の種子がアブシジン酸に応答する新たな仕組み
2018年 次世代作物開発研究センター
コムギ全染色体の参照ゲノム配列情報
2018年 生物機能利用研究部門
ミノムシシルクの強さは高秩序性階層構造による
2018年 生物機能利用研究部門
タカサゴシロアリが木質繊維(キシラン)を分解するメカニズム
2018年 生物機能利用研究部門
ネムリユスリカの極限乾燥耐性をつかさどる遺伝子HSF1
2018年 生物機能利用研究部門
シルクのアミノ酸配列と階層構造との関係を解析する手法
2018年 生物機能利用研究部門
低温煮繭に用いる薬剤による生糸の抱合低下と解じょの向上
2018年 生物機能利用研究部門
カイコ-バキュロウイルス発現系で哺乳類型の糖タンパク質を生産するシステム
2018年 生物機能利用研究部門
RdDM を介したエピゲノム編集によるイネ形質改変
2018年 生物機能利用研究部門
豚のワクチン応答能を向上させるDNAマーカー
2018年 生物機能利用研究部門
ゲノム編集を利用して解明したカイコ薬剤代謝遺伝子の機能
2018年 生物機能利用研究部門
カメムシに特異的な免疫の仕組み
2018年 生物機能利用研究部門
カイコ生殖細胞に発現する遺伝子nanosOは正常な繁殖能力の保持に不可欠である
2018年 生物機能利用研究部門
細菌による生殖操作に対抗する宿主昆虫の抵抗性進化
2018年 生物機能利用研究部門
CRISPR/Cas9を利用したトランスポゾン除去技術
2018年 生物機能利用研究部門
改変型SpCas9の利用による変異導入位置自由度の拡大
2018年 生物機能利用研究部門
ゲノム編集によって作出された高オレイン酸・低リノール酸米
2018年 生物機能利用研究部門
茎頂組織を狙って植物体を直接ゲノム編集する技術
2018年 生物機能利用研究部門
病害抵抗性と花や種子のサイズに関与するイネ遺伝子
2018年 生物機能利用研究部門
閉花受粉性イネ突然変異体spw1-cls1の低温条件下における開花
2018年 生物機能利用研究部門
チョウ目の匂い物質結合タンパク質遺伝子クラスターの種間比較
2018年 生物機能利用研究部門
ツマグロヨコバイ唾腺遺伝子NcPS75はイネ篩管吸汁に必須
2018年 生物機能利用研究部門
害虫から植物を守る全く新たなタイプのタンパク質
2018年 生物機能利用研究部門
イネの複合病害抵抗性におけるタンパク質チロシンリン酸化の役割
2017年 次世代作物開発研究センター
デュラムコムギのゲノムからみる小穂非脱落性の進化
2017年 次世代作物開発研究センター
オオムギを大粒化する遺伝子の同定と利用
2017年 生物機能利用研究部門
ネムリユスリカ細胞を用いた酵素の常温乾燥保存法の開発
2017年 生物機能利用研究部門
ホーネットシルクの素材化における特異な構造形成の解明
2017年 生物機能利用研究部門
非天然型アミノ酸を効率的にフィブロインに導入できる遺伝子組換えカイコの開発
2017年 生物機能利用研究部門
日本産クワコの遺伝的多様性の日本列島全域にわたる評価
2017年 生物機能利用研究部門
ヒト疾患の研究に応用可能なミトコンドリア機能低下モデルカイコの開発
2017年 生物機能利用研究部門
種子品質に関連するエピゲノムリプログラミングを発見
2017年 生物機能利用研究部門
腫瘍マーカーを特異的に検出するシルクタンパク質素材の開発
2017年 生物機能利用研究部門
ブタマクロファージの新しい不死化法
2017年 生物機能利用研究部門
ゲノム編集を用いたウシ疾患原因遺伝子の修復
2017年 生物機能利用研究部門
共生細菌(ボルバキア)の異種間移植による昆虫の胚発生阻害
2017年 生物機能利用研究部門
共生細菌による昆虫の性染色体の母系遺伝阻害を介した性操作
2017年 生物機能利用研究部門
小型CRISPR/Cas9ベクターの開発とイネゲノム編集への利用
2017年 生物機能利用研究部門
分割することで小型化した植物ゲノム編集ツールの開発
2017年 生物機能利用研究部門
コムギ植物体にDNAを直接導入する新しい形質転換技術
2017年 生物機能利用研究部門
除去可能な植物ウイルスベクターの開発
2017年 生物機能利用研究部門
イネいもち病圃場抵抗性遺伝子の効果をなくしてしまうイネの遺伝子座
2017年 生物機能利用研究部門
植物病原細菌の作物内での増殖に関与する葉緑体酵素の発見
2017年 生物機能利用研究部門
病原菌を認識して免疫反応を誘導するセンサーをイネから発見
2017年 生物機能利用研究部門
遺伝子高次構造制御と酢酸による作物乾燥ストレス耐性の付与
2017年 生物機能利用研究部門
画像解析による作物形質評価のための入力画像データ正規化法の開発
2017年 生物機能利用研究部門
広食性や殺虫剤抵抗性の機構解明等に有用なハスモンヨトウのゲノム情報
2017年 生物機能利用研究部門
キチンにより誘導されるイネの防御シグナルはBSR1を介して伝達される
2016年 高度解析センター
幼若ホルモンセンサーの開発
2016年 次世代作物開発研究センター
ソルガムの茎部への糖蓄積過程で発現するSWEET遺伝子群の発見
2016年 次世代作物開発研究センター
オオムギ(Hordeum vugare L.)の休眠を制御する新たな仕組みを発見
2016年 次世代作物開発研究センター
ダイズ代謝系シミュレイションモデルは耐湿性関連遺伝子の絞り込みに有効である
2016年 生物機能利用研究部門
糖鎖修飾シルクにおけるヒト心筋細胞の接着と増殖
2016年 生物機能利用研究部門
生きたカイコの絹糸腺を利用する新規シルク素材化法の開発
2016年 生物機能利用研究部門
カイコとクワコの交雑第一代での幼虫行動の解析
2016年 生物機能利用研究部門
カイコのオス化遺伝子を利用した雄蚕飼育法の開発
2016年 生物機能利用研究部門
昆虫に汎用性のある細胞死誘導システムの開発
2016年 生物機能利用研究部門
SaCas9,Cpf1を用いた植物におけるゲノム編集系の開発
2016年 生物機能利用研究部門
イネSPW1遺伝子の新規アミノ酸置換型変異により閉花性を安定化できる